電卓の生みの親であり、シャープを日本有数の家電メーカーに育てあげた著者が、生きていくこと、新しい発想を生み出すために大切なことを語っています。100歳を超えて、なお現役で活動し続けるには何が必要なのか。
■役割・ミッション
人間の細胞1つ1つは60兆分の1なのに同じものがなく、細胞同士が役割を連携しあって、時々刻々、生体活動を続けている。人間もみんな、それぞれ役割・ミッションがある。これが生きていくという事だ。
人とのつながりは、家族、学校、会社、地域、社会とだんだん拡大していくけど、その中で自分にできる役割を見つけ出す事も大切だ。その時、自分1人だけでやろうとしないと楽になる。これを解決するのが、他人と一緒に創り出す「共創」だ。
■互いを尊敬し信頼し合うこと
少し前までは独創力が尊ばれたが、最近は1人の俊英の「独創力」には、限りがある事がわかり始めた。一方、複数の英知が集う「共創力」は無限だ。複数の異質の人間が同じ「場」に集って、互いの個性を最大限に発揮しながら議論していくと、1人では思いもよらなかった素晴らしい創造物を生み出す可能性が高い。そのためには、互いを尊敬し信頼し合うという大前提が必要になる。
①誰にでも、大切な役割がある
生きていくという事は、誰かに喜んでもらうために何らかの活動をすること。だから喜んでもらうために、自分の役割について考えてみるもの大切である。
②価値観が違うから、価値がある
価値観が違う人や異質な人を遠ざける人がいるが、そのようなグループからは、斬新なものはなかなか生まれない。むしろ積極的に会い、議論し、新しい価値をどんどん生み出すこと。共に創るという「共創」の思想が求められる。それは「相手を活かし」「自分も活かされる」という相互信頼があって、初めて成り立つ。
③自分を高める心を、忘れない
優秀な人こそ、いろいろな落とし穴に陥りやすい。そうならないために、自分を高めること。あなたが高まることによって、相手も高まる。
著者 佐々木 正
1915年生まれ。シャープ元副社長 神戸工業(現・富士通)取締役を経て、シャープ副社長、顧問を歴任。現在、NPO法人・新共創産業技術支援機構の理事長を務める。 電卓の生みの親であり、シャープを日本有数の家電メーカーに育てあげた。液晶、太陽電池など常に日本の先端電子技術の開発に携わり、半導体産業の礎を築いた一人。 100歳になる現在も、経営者、技術者、学者などからの相談にのるなど忙しい日々を送っている。 米国アポロ功績賞、ドレスデン工科大学第一等功績賞、勲三等旭日中綬賞など内外の著名な賞を多数受賞。
帯 ソフトバンク社長 孫 正義 |
帯2 芝浦工業大学大学院教授 國井 秀子 |
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
日経トップリーダー |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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まえがき | p.3 | 1分 | |
第1章 生きていく | p.17 | 6分 | |
第2章 仕事に向き合う | p.49 | 8分 | |
第3章 新たな価値を生む | p.89 | 4分 | |
第4章 発想する力 | p.109 | 5分 | |
第5章 「術」で終わらない | p.137 | 3分 | |
第6章 リーダーが考えること | p.153 | 5分 | |
第7章 私が関心を持っていること | p.179 | 5分 |