Passion 情熱
情熱は成功の源泉だ。ザッカーバーグは以前からソフトウェアと人間関係の交わりについて考えていたという。ハーバード大学では心理学とコンピュータ・サイエンスを専攻した。実際、ネット上で人々が交流するための小さなプログラムを何度も作っていて、そのたびに新たな学びがあった。拡大の一途をたどるネット上での交流の世界に、オフラインの世界のコミュニケーションを何とか持ち込みたかったのである。それが彼の情熱となった。
作りたかったのは、「交流のための社会基盤」だ。フェイスブックという場を通じて、ザッカーバーグは自分の情熱を燃やし続け、FB開発の目的を追求してきた。ユーザーの獲得が第一であって収益は後回しだった。彼にとってお金は二の次。だから、ヤフーから10億ドルでの会社売却の話も断り続けたのである。
Purpose 目的
情熱があれば、自分というものがわかり、人生を賭けて何をしたいのかが見えてくる。そういう事がわかってくると、今度は目的が明らかになる。成功企業は、行動の1つ1つが必ず目的に根ざしている。そんな製品を作り、どんな社員を雇うか、製品の販売方法に至るまで、何をとっても目的につながっている。
ザッカーバーグの情熱に突き動かされたハーバードの友人たちは、何度も集まって世の中を変えるというテーマで語り合った。ここからフェイスブックの目的が生まれた。「もっとオープンで深いつながりが持てる世界」である。
People 人材
どんな会社でも長期にわたって成功する上で最も重要な要素は、人材の質である。経営者のビジョンや夢、ゴールを共有できるチームがなければ、会社はその可能性を存分に発揮できない。
フェイスブックには、社内に明確な「ハッカー魂」と呼ばれる社風が定着している。約6000人の社員を抱えるほどに急成長を遂げても、依然としてハッカー文化に浸っている。
Product 製品
成功に必要なのは、顧客の心に訴える製品を思い描き、実際に形にして、世の中に投入する事だ。明確なビジョンを掲げていれば、それにふさわしい道筋やチャンスが誰よりも簡単に、はっきりと見えてくる。
フェイスブックが開発するものは、すべて中心に人間がある。人々がオンラインで交流したいというニーズに気付き、そこにターゲットを絞ったのは、創業者自身が人間に興味を持っていたからだ。
Partnerships 協力
成功はチームスポーツだ。本当に優れた企業は、経営陣が能力や経験を互いに補完し合える顔ぶれになっている事が多い。その好例が、ザッカーバーグとサンドバーグのコンビだ。サンドバーグは、会社経営の実務面を引き受け、ザッカーバーグには一番得意な分野に専念してもらう事になった。