スターリン、ヒトラー、毛沢東。歴史上、最強最悪と言われる3人の政治家がどのように、権力を手に入れたのかを振り返る1冊。
■組織内のあらゆる情報を収集し、管理する
スターリンは15〜20歳までの5年間を神学校で過ごす。信仰心は篤く、聖書の勉強もして成績も良かったらしい。そんなスターリンはグルジア民族主義に傾斜し、図書館でマルクスの「資本論」を読み、社会主義に目覚めた。1989年、スターリンは19歳の時に地下の社会主義組織に入ったとされる。スターリンが参加し、やがてロシア革命を成功させ、ソヴィエト共産党へと発展する党は、ロシア社会民主労働党という。その中心になったのはレーニンである。
レーニンは、組織において何よりも重要なのが「情報」だと見抜いていた。そして、その「情報」を集中管理する事が権力維持にも必須であると認識していたのが、その後継者スターリンである。
■スターリンの出世術
基本戦略
①組織のために自分の手を汚す
②人の弱みを握り利用する
③情報を集める
④誰も信用しない
・組織内のあらゆる情報を収集し、管理する
・会議には堂々と遅刻し大物そうに見せる
・自分の意見は持たない。会議では最後に整理してすべて持っていく
・現場の底辺のリアルを忘れない
・少数派に属し、その派内で早く上のポストに就く
・目的遂行のためには犯罪も辞さない
・暗部の仕事を請け負う
・汚れた仕事をする時は共犯者を作り相手の弱みを握る
・自分の力を過小評価させ相手を油断させる
・変わり身は早ければ早いほどよい
・失敗したライバルをフォローしてやり、恩を売る
・時が来るまで直属の上司に逆らわない
・どのレベルでも、数の理論を意識して動く
・みんなが嫌う地味で面倒な「実務」こそ引き受ける
・自分なしに組織が動かない状況を作る
・最高幹部のたった1人の連絡役になる
・あらゆる情報を収集するため盗聴も辞さない
・最高権力者を追い落とす時は、ライバルと共闘する
・最大のライバルには嘘の情報を流す
・最高権力者の葬儀は必ず仕切る
・「好かれる」必要はない、誰にとっても「一番嫌いな奴」にさえならなければいい
・自分の敵でも「敵の敵」なら組織の残し、利用する
・常に多数派につく、そこを牛耳る
・噂を利用して後方からライバルを撃つ
・失脚したライバルは徹底的に排除して再帰不能にする
・可愛がっていた部下でも、人望がある者は粛正する
著者 中川 右介
1960年生まれ。「クラシックジャーナル」編集長 出版社IPCの編集長として写真集を中心に出版、ソ連の出版社とも提携した。後、出版社アルファベータを設立し、代表取締役編集長に。 ドイツ、アメリカ等の出版社と提携し音楽家や文学者の評伝や写真集を編集・出版する傍ら、クラシック音楽、歌舞伎、映画、歌謡曲、マンガなどの分野で旺盛な執筆活動を続ける。
週刊 東洋経済 2014年5/3・5/10合併号 [雑誌] |
週刊 ダイヤモンド 2014年 5/17号 [雑誌] |
週刊 ダイヤモンド 2014年 6/7号 [雑誌] 三省堂書店営業本部課長 鈴木 昌之 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
はじめに | p.3 | 4分 | |
第1部 立身 | p.19 | 41分 | |
第2部 栄達 | p.87 | 67分 | |
第3部 野望の果て | p.197 | 44分 |