「くまモン」の生みの親であるデザイナーが、センスを磨くための方法を紹介している1冊。そもそもセンスとは何かを定義し、センスとは生れつきのものではないと説く。
■センスとは何か
「センスのよさ」とは、数値化できない事象のよし悪しを判断し、最適化する能力である。おしゃれも、かっこよさも、かわいらしさも数値化できない。
センスがいい商品をつくるには、「普通」という感覚がことのほか大切である。それどころか、普通こそ「センスのいい/悪い」を測る事ができる唯一の道具なのである。
普通とは「いいもの」がわかるということ。普通とは「悪いもの」もわかるということ。その両方を知った上で、「一番真ん中」がわかるということ。「普通」を知っていれば、ありとあらゆるものが作れる。普通という「定規」であらゆる事象を測っていく事によって、様々なものを作り出す事ができる。
数値化できない事象には、ありとあらゆるものがある。それを最適化するとなれば、多角的・多面的に物事を測った上で「普通」を見つけ出し、設定する能力が必要である。数値化できない事象を測る方法をたくさん知っていればいるほど、センスが良くなる。
センスとは知識の集積である。知識があればあるだけ、その可能性を広げる事ができる。
センスを磨く方法は、知識を集積する事と客観的になること。不勉強と思い込みはセンスアップの敵である。
著者 水野 学
1972年生まれ。グッドデザインカンパニー 代表 大学卒業後、株式会社パブロプロダクションに入社。その後、株式会社ドラフトを経て、1999年グッドデザインカンパニー設立。ブランドづくりの根本からロゴ、パッケージ、店舗デザインまで、トータルにディレクションを行う。 主な仕事に、NTTドコモ「iD」、「農林水産省」CI、国立新美術館「ゴッホ展」、「多摩美術大学」、「東京ミッドタウン」、「ルミネ」、「adidas」、ユニクロ「UT」、首都高事故削減プロジェクト「TOKYO SMART DRIVER」、森美術館「ル・コルビュジエ展」ほか。
帯 タレント 阿川 佐和子 |
THE21 2017年 12 月号 作家 小暮 太一 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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Prologue センスは生まれついてのものではない | p.1 | 4分 | |
Part1 センスとは何かを定義する | p.15 | 11分 | |
Part2 「センスのよさ」が、スキルとして求められている時代 | p.35 | 20分 | |
Part3 「センス」とは 「知識」からはじまる | p.73 | 13分 | |
Part4 「センス」で、仕事を最適化する | p.97 | 23分 | |
Part5 「センス」を磨き、仕事力を向上させる | p.141 | 19分 | |
Epilogue 「センス」はすでに、あなたの中にある | p.178 | 3分 |