Google、パズドラ、LINE、リブセンスなど、IT企業がどのように利益を生み出しているのか、その基本的なしくみを解説している初心者向けの本。
■Googleが儲かるしくみ
検索エンジンがお金も払わずに使えるのは、検索結果に表示される「広告」にある。検索エンジンの利用者からはお金をとらない代わりに、広告主からお金をもらっている。
Googleの広告システムである「Googleアドワーズ」では、広告がクリックされてはじめて料金が発生する。このアドワーズでは、広告が表示される機会が発生するたびに、「どの広告を、どの順番で表示するか」を決める「オークション」が行われる。結果と人気のキーワードでは競争が激化し、1クリックあたり数千円してしまうようなケースもある。粗利益が高かったり、リピート性の高い商売は、このような絶対額として非常に高額な広告料を払う事がある。ネットからの集客・販売を考えた場合、「キーワード連動広告を利用しない」という選択肢はない。従って。人々の行動がネット中心になればなるほど、儲かるしくみになっている。
儲かるビジネスの特徴にはパターンがあるのは間違いない。その1つが「原価が激安で、そんなに販促費や人件費をかけずに、大量に売りさばく」こと。それができれば、おそろしいまでの利益率をたたき出す事ができる。
その理想に近い形を実現したのが、GREEやDeNAである。既に社会的に問題となり低調になっているが、彼らの収益にブーストをかけたのが「ガチャ」の仕組みである。ガチャとは、デジタルデータをコレクションアイテムとして、収集させる事を加速させるものである。
デジタルアイテムには制作費がかかるが、工場が必要なわけでも、大量の人員が必要なわけでも、原材料費が莫大にかかるわけではない。ガチャに至っては、しくみを入れるだけ。ほぼゼロといってもいいほど、追加の費用をかける事なく、売れていくものを量産する事ができる。
著者 藤原 実
1975年生まれ。税理士。 内閣府所管公益財団法人生涯学習協議会認定ビジネスモデル・デザイナー。藤原実税理士事務所所長。 インターネットスタートアップ専門投資会社にてインターン後、コンテンツ制作会社を設立。その後税理士資格を取得し、温泉旅館からIT企業まで他業種にわたる事業支援を行う。
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
週刊 ダイヤモンド 2014年 4/26号 [雑誌] 紀伊國屋書店和書仕入本部係長 水上 紗央里 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに | p.3 | 2分 | |
第1章 なぜ、無料でも利益が出るのか? | p.13 | 16分 | |
第2章 上手にお金を払ってもらうしくみ | p.47 | 12分 | |
第3章 あのグローバルIT企業の利益率が圧倒的に高いワケ | p.73 | 14分 | |
第4章 意外と知らない、IT以外が利益の源泉となっている企業 | p.103 | 8分 | |
第5章 儲からない会社・儲からなさそうなビジネスが生まれて大化けするまでを支えるしくみ | p.121 | 20分 | |
第6章 「税金をはらわない」ことで儲けの流出を防ぐ | p.165 | 9分 | |
おわりに | p.185 | 2分 |
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