マーケターの神田昌典氏が、これから10年で激変する世界について、高校生たちに語った内容をまとめたもの。7つの未来予報を提示し、これから先のあり方を考えさせる内容になっています。
■第1の未来予報:お金がなくなる
既にお金がなくても生活ができていく方法がある。それは物々交換である。既に始めている人もいるが、「物々交換」の世の中が、これからの10年間で成り立つ。
そもそもお金は、自分のつくったものをお金に換えて、自分の欲しいものを手に入れるために発明された。靴とパン、あるいは花、自転車。ものを交換する時に、最も効率が良かったのが「お金」だった訳だが、その構図を変えてしまったのがインターネットである。インターネットを利用する事で、お金を媒体としなくても、ものの交換ができるようになった。
勉強して、お金を稼ぐ能力を養う事は必要な事である。しかし、それだけでは十分とは言えない。人に信頼され、多くの人たちとつながりがあること。これが豊かな生活を築く力になる。
■未来はもう始まっている
未来について確実に言える事は、想像をはるかに超えたものになるという事である。想像よりも、現実の方が早く動いている。今、正解と思われている事は、未来ではまず正解ではないという事である。
この変化の激しい時代に活躍し続けるために、必要な力は、賢く世を渡っていく力ではなく、逸れても逸れても、転がり続ける力を持っているかどうかという事である。
未来は突然、生じる訳ではなく、今現在のこの瞬間にも、小さな種が蒔かれている。その種から、小さな芽が出ている事や、少し葉っぱが出始めた事を確認できれば、何年後に、どのくらい育っているか、どんな花芽をつけているかというのが予測できる事になる。
今、未来へのビジョンを描くには、最適なタイミングである。なぜなら、ここ数年間で、時代は大きく変わると考えているからである。
著者 神田 昌典
1964年生まれ。経営コンサルタント アルマクリエイションズ代表取締役 大学3年次に外交官試験合格、4年次より外務省経済局に勤務。その後、米国家電メーカー日本代表を経て経営コンサルタントとして独立。 多数の成功企業やベストセラー作家を育成し、総合ビジネス誌では「日本のトップマーケター」に選出。 2012年、大手ネット書店の年間ビジネス書売上ランキング第1位。 2018年、マーケティング分野で歴史的権威があるDMA国際ECHO賞の国際審査員に抜擢。ビジネス分野のみならず、教育界でも精力的な活動を行っている。
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
序 章 未来はもう始まっている | p.11 | 11分 | |
第1の未来予報 お金がなくなる | p.35 | 12分 | |
第2の未来予報 会社がなくなる | p.61 | 11分 | |
第3の未来予報 病気がなくなる | p.85 | 8分 | |
第4の未来予報 国境がなくなる | p.101 | 8分 | |
第5の未来予報 学校がなくなる | p.117 | 9分 | |
第6の未来予報 貧困がなくなる | p.135 | 6分 | |
第7の未来予報 制約がなくなる | p.147 | 9分 | |
おわりに 君に渡したいギフト | p.166 | 4分 |