平和な村に突然降ってきた投資商品『ヘッジホント』。バブルとその崩壊を経験するゾウたちのお金と生き方にまつわる物語。
■金持ちゾウさん
あるところに、ゾウたちの住む国があった。その国に、カネー村という小さな村があった。ナイーゾは、おじいさんがはじめたパン屋を父親から継いで3年が経つ。しかし、これまでに仕事が楽しいと思ったことは、ほとんどない。でも、仕事をしなければ生きていけない。だから毎朝、200個のパンを焼いた。ただ、パンを焼くだけの退屈な暮らしでも、妻イレーヌと11歳の息子エンゾーの一緒にいられる事だけで十分幸せだった。お金はないけれど、平和な生活がそこにあった。あの事件が起きるまでは。
きっかけは10年ぶりの同窓会だった。高そうなスーツをバリッと着こなし、痩せたゾウがやってきた。トルーゾだった。ヤメルカ国の大学に留学し、イッタレヤ国でいくつもの会社を立ち上げ、豪邸を建てたそうだ。
トルーゾは言った。「今度、また新しい会社をつくったんだ。お金を賢く運用する投資会社でね。預けたお金が1年で2倍になるっていう新商品を扱うんだ。この話、もっと聞きたくないか? 金持ちになる一番確実な方法は、投資家になることさ。お金がお金を生み出す、ここをマスターしなくちゃな。」
村のゾウたちは、静かに幸せに暮らしていた。そこに降って湧いた投資話のせいで、村はバブルに熱狂する。しかし、そのバブルが崩壊することで、村のゾウたちは、お金よりも大切なことに気付いていく。
著者 本田 健
作家 経営コンサルティング会社、ベンチャーキャピタル会社など、複数の会社を経営する「お金の専門家」。独自の経営アドバイスで多くのベンチャービジネスの成功者を育ててきた。『ユダヤ人大富豪の教え』をはじめとする多くのベストセラー本を執筆している。
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
帯 作家 よしもと ばなな |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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プロローグ あるゾウの村の物語 | p.10 | 1分 | |
第1章 同窓会 | p.13 | 9分 | |
第2章 ヘッジホントがやってきた | p.39 | 11分 | |
第3章 アルーゾのお金の授業 | p.71 | 10分 | |
第4章 終わりのはじまり | p.101 | 14分 | |
第5章 トルーゾを探せ! | p.143 | 5分 | |
第6章 お金はどこに消えた? | p.157 | 14分 | |
解説 これからお金とどうつきあいますか? | p.198 | 11分 |