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2014/04/25更新

無印良品の「あれ」は決して安くないのに なぜ飛ぶように売れるのか?

176分

2P

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無印良品のコンセプト

商品の幅が広がるほどイメージが薄まり、ブランド力が落ちていく。無印良品の取扱品目は7000点以上もあり、用途もバラバラである。なぜ、無印良品のブランド力は落ちないのか?

それは売っているのが「たった1つの商品」だからである。彼らは、それを「感じの良いくらし」と表現している。唯一の商品は「無印良品のくらし」なのである。無印良品では、すべての商品が、無印良品が考える「くらし」を実現するために開発され、売られている。ごく自然な、無理をしない「感じの良いくらし」である。この1点において、無印良品は全くと言っていいほど、ブレがない。

「これがいい」ではなく「これでいい」。この「で」は、消費社会に対する高度な批評になっているばかりでなく、無印良品が設立以来、突き詰めてきたコンセプトのエッセンスが示されている。無印良品が優れているのは、「これでいい」の「で」というコンセプトを徹底的に追求する仕組みを持っている事である。

新しいコンセプトや戦略は、低い目線で、狭い領域を見ていては絶対に生まれない。競争のルールを変え、世界を変えていくには、物事をいったん分解して本質を取り出すこと、さらに取り出したいくつかの本質を組み合わせて、新しい仕組み、体験につくり上げていく作業が必要である。

コンセプトの4つの働きと3つの性質

・働き
①力を束ねる:やることを明確にすれば、力は1点に集中する
②在り方を決める:世の中で「どのような存在なのか」を明確に発信する
③行動を指示する:良いコンセプトは必ず行動を指示し、行動を喚起する
④価値を最大化する:コンセプトの使命は、ブランドの価値を最大化する事である

・性質
①本質とつながっている
本質から外れたものをコンセプトとすると、ズレが目立ち、結局うまくいかない

②寿命がある
突き詰めた、曖昧さがないコンセプトは、100年の使用に耐える

③決断に左右される
コンセプトをコンセプトとして機能させるには「コンセプトをコンセプトとして扱う事を決める」事である。もし、そのコンセプトが機能していないなら、関わる人がそのコンセプトをきちんと扱っていない可能性が高い。

コンセプトのつくり方

コンセプトは「現在地」「資産」「戦略」の要素をすべて貫き通す事が必要である。

・現在地:全ての外的な条件を把握し、現在地を把握する
・資産:事業で活用できるすべてのものを明確にする
・戦略:最も困難な課題に真正面から取り組んでいるのが良い戦略である

そして、コンセプトは、誰にでも意味の分かる明解さが必要である。コンセプトは理解されてこそ力を発揮する。