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2014/04/08更新

晴れの日に、傘を売る。 waterfront支持率ナンバーワンの傘を生んだ「良品薄利」の経営

  • 林 秀信
  • 発刊:2014年3月
  • 総ページ数:200P

115分

4P

  • 古典的
  • トレンドの
  • 売れ筋の
  • すぐ使える
  • 学術系
  • 感動する
  • ひらめきを助ける
  • 事例が豊富な

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お客様が感動する傘を創る

シューズセレクションの経営理念には次の4つが挙げられる。

①サプライズを呼ぶプライス
もし、高品質な商品が自分の予想をはるかに下回る値段で売られていたとしたら、その魅力は単なる「満足」ではなく、大きな「驚き」になる。

②クオリティ・ファーストのものづくり
シューズセレクションの傘は、500、1000円といった価格が中心だが、商品企画は品質にこだわる事を前提に始まる。商品により多くの価値があれば、それが本当の意味でのブランドになる。

③500アイテムのポテンシャル
売れ続ける秘密は、500種類を超えるラインナップの豊富さにある。デザインも色柄も豊富に揃えており、TPOやファッションに合わせて傘を替えるという、新しい提案を可能にしている。つまり、機能やおしゃれを楽しみながら、1人で何本も買って頂ける。

④終わりなきパイオニア・スピリット
デザイン性、機能性、時代性の3つの要素を常に検証し、年間100種類以上の新アイテムを生み出している。

晴れの日でも売れる傘

シューズセレクションの傘は、500円、1000円という値段だけでなく、カラフルな品揃えも大きな特徴である。店頭にずらりと並んだ色とりどりの傘を見て、雨の日でもないのに傘を買ってしまったというお客様の行動パターンを生み出すために、小売店に対し「アソート方式(多種類セット納入)」という納入方式をとっている。

通常、傘は紺か黒、あるいはビニールのが定番のため、売り場は地味になりがちである。しかし、パステルカラーをベースにした「ウォーターフロント」の売り場はカラフルで、お客様を引きつける事ができる。1ユニットには36本の傘が入っているが、色の組み合わせはこちらで決めている。その方が、結果的に「傘の鮮度」を保つ事ができる。小売店が色を決めると、売れる色ばかり選んでしまう。

アソート販売の特徴は、カラフルさにあり、カラフルな傘がたくさん並んでいると、あまり売れなかった色も売れるようになり、全体の売上がアップする。そして、どんなに晴れの日でも売れるのである。

良品薄利の経営

「薄利多売」という言葉があるが、一方で「良品薄利」とも言われる。たとえ自分たちの利益が少なくなっても、お客様にいいものを提供する事を第一の目的にするという事であろう。シューズセレクションの「高品質の傘を低価格で」という理念は、まさに「良品薄利」の精神である。

シューズセレクションも企業であるため、利益を上げなければならないが、それが第一ではない。お客様足元を見るような経営ではなく、どうすればお客様に利益を還元できるか。そうやって常に考えて工夫し続けないと、お客様も驚かないし、感動もしてもらえない。その時に大事な事は、自己負担、自己責任で行う事である。