日本の洋傘市場でシェア17%という日本一の傘メーカーの代表が、その経営について語っています。高品質な折り畳み傘を500円で売り出す、良品薄利の経営について書かれています。
■国内洋傘市場シェア1位
『ウォーターフロント』などのブランドを展開するシューズコレクションの傘は、日本国内の洋傘市場で17%のシェアを占めるまでになった。国内の傘の年間販売数は2013年で約1億1100万本。日本の人口に近い本数が「毎年」買われている事になる。
高価で品質が良いものは、世の中にいくらでもある。しかし『ウォーターフロント』は、品質はそのままで、いかに価格を下げられるかに、日々工夫を重ねている。品質は2000円以上なのに価格は500円というわけである。
たとえば、100円の飲料水は、山の上では200〜300円とかで売られている。しかし、山の上でも100円以下の価格で販売できる傘を目指している。
傘というのは雨の日に使うものだが、「晴れの日だって売れる」というのをキャッチコピーにしている。多くのメーカー企業が「いまは不景気だからものが売れない」と言うが、不景気だからこそ、安くていいものを探している人は多い。年間を通じて、消費意欲が高まるイベントはたくさんあるし、そう考えれば、傘だって新しい価値を生み出せる。お年賀、バレンタインデー、新入学、敬老の日、結婚式。
豊富なカラーとデザイン、低価格で高品質だからこそ、様々な使い方ができるのが、シューズセレクションの傘である。生活の中でも可能性は広がっていくわけなので、天気は関係ない。晴れていても傘は売れる。
著者 林 秀信
1964年生まれ。シューズセレクション代表取締役社長 飲食店の経営などを経て、1986年に一貫加工生産の洋傘メーカー、シューズセレクション設立。国内有名ブランドのOEM受注生産で得た技術的基盤を背景に、2000年に初の自社商品「SUPER VLE(スーパーバリュー)500」シリーズを展開。 500円・1000円という超低価格の傘で注目を集め、ユニット単位で傘を販売するアソート戦略で販売数を伸ばし続けている。 低価格で高品質な独自商品の開発に力を入れ、携帯電話サイズの5段折り畳み傘や超薄型の折り畳み傘など、国内外で取得した特許等は156件。 従業員35人という少数精鋭の経営で、500アイテム、年間販売本数2000万本、年商39億円、全国シェアは17%(1位)。
帯 スーパー「オーケー」代表取締役 飯田 勧 |
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
日経ビジネス Associe (アソシエ) 2014年 06月号 [雑誌] |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに | p.1 | 1分 | |
晴れの日でも売れる傘 | p.11 | 24分 | |
傘の黒澤プロダクション | p.63 | 20分 | |
唯一の才能、それが「傘づくり」 | p.107 | 24分 | |
傘のことだけ考えて生きる | p.159 | 16分 | |
おわりに | p.194 | 1分 |