「ひらめき」を効果的につくり出すにはどうすればいいのか。
「カオス(混沌)」こそが、新しいアイデアを創造する源泉だと、様々な事例を挙げながら解説している1冊です。
■カオスが新たなアイデアを創造する
どんな組織であれ個人であれ、カオスとそれに伴う予測不能性や不確実性は、誰もが最小限に抑えようと奮闘している。円滑な運営を目指す者にとって、それは大敵と言える。カオスという言葉からは、誰もが秩序に欠けた状態や、確たる計画や目標のない行動を思い浮かべやすい。その結果はネガティブである事が多い。しかし、そんなカオスにも別の側面がある。変幻自在で、凝り固まったシナリオとは無縁で、明確すぎる目標にも縛られないあり方が「革命」を招く。
カオスは、まず「余白」を作り出す。それが「異分子」の入り込む余地となる。そこから、思いもよらぬ結果が生まれる。そのような不思議な現象を「計画されたセレンディピティ(偶然)」と呼ぶ。
新たなアイデアが生まれ育つには「異分子」の存在が欠かせない。そして、もう1つ必要なものが「計画されたセレンディピティ」である。組織が革新的なアイデアを招来し、体制の中で縦横にやりとりするには、組織の中に小さな「カオス」を創造する事である。
人生であれ仕事であれ、誰にとっても「穏やかなカオス」は不可欠である。議題を定めない話し合いの場を設けたり、異質の人材を輪に加えたりする事のメリットは計り知れない。小さなカオスを意識的に導入する事で、思いもよらない「偶然」が生まれる。斬新で創造的なアイデアもそうした風土から芽吹く。
意外にも、カオスは組織の機能を向上させる。優れた学校を設立し、革新的なビジネスを生み出し、弾力性に富んだ軍隊をも創造する。
著者 オリ・ブラフマン
作家 専門は組織論。イノベーションや組織マネジメントについて、フォーチュン500企業でコンサルティングや講演を行い、アメリカ軍の意思決定に“カオス"を導入する研修プログラムを手がける。
著者 ジューダ・ポラックUCバークレー ハースビジネススクール 常任講師 TEDxでもスピーチを行う。リーダーシップの専門家として、グーグル、SAP、オラクル、アメリカ軍で仕事をする。
日本経済新聞 |
TOPPOINT |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
はじめに | p.3 | 1分 | |
第1章 カオスを巧みに利用する | p.5 | 20分 | |
第2章 穏やかなカオス | p.39 | 9分 | |
第3章 アインシュタインの頭脳 | p.55 | 24分 | |
第4章 ひらめきの神経科学 | p.97 | 23分 | |
第5章 裸でサーフィン | p.137 | 18分 | |
第6章 セレンディピティを促進する | p.169 | 16分 | |
第7章 カオスとシリコンバレー | p.197 | 15分 | |
第8章 カオスの五つのルール | p.223 | 12分 |
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