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2014/04/02更新

USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?

  • 森岡 毅
  • 発刊:2014年2月
  • 総ページ数:253P

192分

3P

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USJの業績をV字回復させたアイデア発想法

USJの業績をV字回復させたマーケターが、どのようにして様々なアイデアを生み出したのかを紹介している1冊。お金がなければ、アイデアを捻り出すこと。いかに創造的なアイデアを出せばよいのかが書かれています。


■窮地に立たされたUSJ
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)は、2001年にハリウッド映画のテーマパークとして誕生した。世界中のどのテーマパークよりも早いペースで開業からの来場数が1000万人を突破し、年間の来場者数は1100万人を達成した。しかし、その後は800万人前後に落ち込み、数年間は年間700万人台の前半まで低迷していた。

テーマパークは究極の集客ビジネスである。食品や生活用品のように安定的な需要がなく、景気が悪ければ真っ先に家計からカットされる。つまらなければ、あっという間に衰退する、常に厳しい生存競争にさらされている。

数多くのピンチからUSJを救ったのが、消費者を惹き付ける奇抜な「アイデア」の数々だった。USJは設備投資の規模にも制約がある。その中で、会社を成長させるという「3段ロケット」構想を描いた。

①長年の弱点だった「家族連れ顧客」を取り込むこと
②遠方からゲストを集客できる「ものすごい何か」を作り関西依存から脱却する
③パークの効率運営ノウハウを複数の場所に展開する

超短要約

■アイデアの神様を呼ぶ方法
強いアイデアを生み出す確率を高めるには「イノベーション・フレームワーク」を使う。

①フレームワークでポイントを絞る
アイデアを生み出すに当たって、最初に最も大切な事は、何を必死に考えれば良いかわかっている事である。どのようなアイデアを考えなくてはいけないかがわかっていなければ、漠然と広すぎる可能性の中から、何の手がかりもなくアイデアを探す事になる。目的→戦略(必要条件)→戦術(アイデアそのもの)の順番で考えていくと、選択肢を合理的に絞っていく事ができる。

②リアプライでアイデアを探す
フレームワークで考えるべきアイデアの必要条件が明確になったら、最初に世の中に目を向ける。この世界中のどこかに、過去から現在に至るどこかに、似たような問題に直面した人がいるのではないか? と疑ってかかる。常に情報を外に求める意識でレーダーを張っておく事が大切である。転用できるアイデアがないか常に外にアンテナを張っておくと、自分に入ってくる有意義な情報量がどんどん貯まっていく。その蓄積されていく情報量は自分自身でアイデアを捻り出す時の「ストック」として、確率を高める強力な武器になる。

③日頃からストックを蓄える
アイデアを思い付くためには、そのアイデアにまつわる「文脈」の事をよく知っている方が圧倒的に確率を向上させる。蓄積された豊かな情報が「ストック」である。「ストック」とは、有効な知識や経験などの「情報の質的・量的な蓄積」を指す。「ストック」が強ければ強いほど、直面する問題に対しての解決策を思いつきやすくなる。

④どれだけ必死に考え続けられるか
フレームワークで考えるべきポイントを明確にし、リアプライで世界中からアイデアを探し、自身やチームのストックで文脈の豊かな情報を活用したら、あとは考えつくまで考え抜く事である。とにかく諦めないで必死に考え続けると、アイデアの神様は降りてくる。

著者 森岡 毅

1972年生まれ。刀代表取締役CEO 1996年P&G入社。ブランドマネージャーとして日本ヴィダルサスーンの黄金期を築いた後、2004年にP&G世界本社(米国シンシナティー)へ転籍、北米パンテーンのブランドマネージャー、ヘアケアカテゴリーアソシエイトマーケティングディレクター、ウエラジャパン副代表を経て、2010年にUSJ入社。 2012年、同社CMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)、執行役員、マーケティング本部長。 USJ再建の使命完了後、2017年、マーケティング精鋭集団「株式会社刀」を設立し、マーケティングを普及させることで日本を元気にする活動に邁進する。

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章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
プロローグ  私は奇跡という言葉が好きではありません p.1 5分
第1章  窮地に立たされたユニバーサル・スタジオ・ジャパン p.15 12分
第2章  金がない、さあどうする? アイデアを捻り出せ! p.35 28分
第3章  万策尽きたか! いやまだ情熱という武器がある p.81 12分
第4章  ターゲットを疑え! 取りこぼしていた大きな客層 p.101 10分
第5章  アイデアは必ずどこかに埋まっている p.117 18分
第6章  アイデアの神様を呼ぶ方法 p.147 34分
第7章  新たなチャレンジを恐れるな! ハリー・ポッターとUSJの未来 p.203 21分
エピローグ  ユニバーサル・スタジオ・ジャパンはなぜ攻め続けるのか? p.237 10分

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