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2014/04/04更新

森を見る力: インターネット以後の社会を生きる

286分

3P

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情報化社会をいかに生きるべきか

インターネットは社会を便利にした反面、生きる力を弱めている。戦後社会からインターネットが登場するまで、社会はどのように変わったかを示しながら、インターネット以後の社会をいかに生きるべきかを考えさせます。


■木を見て森を見ず
パソコンが普及し、情報化社会が本格的に始まった1980年代は、いろいろな意味で情報の扱い方が変わった時代だった。それまで学問の世界では、何を研究するのかを探し出す事が最初の関門であった。だから、1つのテーマを研究していって、その研究に行き詰まり、最初から戻って別の研究テーマにトライし、やがて、自分の納得できるテーマを見つけて成果をあげる。そうやって自分のテーマの周辺の無駄な研究を行う事によって、研究者には、幅広い教養が身についた。しかし、世界の知識や研究テーマがデータベース化される事によって、ある領域での世界的な課題というものが誰にも明確になった。そうなると、若い研究者は、無駄な研究をせずに、いきなり世界最先端のテーマに取り組む事になる。それまでの研究者のような裾野の広い知を得られる事はない。

超短要約

インターネット以前の社会と以後の社会の根本的な違いは、情報というものが密室の中で秘密にされているのではなく、公開され共有されているところである。個人でも企業でも国家でも、アクセスする能力は平等である。大事なのは、検索能力やデータマイニング能力であり、その能力にはセンスと経験が必要である。

インターネットは、誰もが情報発信ができるようになった結果、ありとあらゆる個人の想いや知識があふれかえっている。まさに玉石混交の世界であり、その玉の価値は、人によって変わってくる。その情報の海から、豊饒な幸を回収するスキルと、それを判りやすく説明できるスキルが求められている。

著者 橘川幸夫

1950年生まれ。デジタルメディア研究所・所長 1972年、音楽雑誌「ロッキング・オン」を創刊。1978年、全面投稿雑誌「ポンプ」を創刊。その後、さまざまなメディアを開発する。現在、未来フェス代表、未来学会理事、阿佐ヶ谷アニメストリート商店街会長などを務める。

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章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
序章 森を見る力 p.15 6分
第一章 戦後社会の中で変質したものは何か p.23 71分
第二章 不安定な時代のアイデンティティ p.123 11分
第三章 メディアの現在 p.139 47分
第四章 インターネットが何をしたか p.205 26分
第五章 3・11以後の社会 p.241 49分
あとがき 追悼・林雄二郎さん p.309 6分

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