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店頭広告に集客効果はない

ショーウィンドウに商品を並べる事は、古くから小売りの王道の手法とされてきた。しかし、調査から、商店街を歩いている買い物客は、ショーウィンドウを正面からはめったに見ていなかった。買い物客には道の真ん中ではなく、隅を歩く傾向がある。そうするとショーウィンドウは斜めから鋭角に見られる事になり、見える範囲は限定される。買い物客が店に入るかどうかを決める時には、大多数はショーウィンドウには関心を示さず、入口から店の中を見ていた。看板やショーウィンドウにどれほど労力や費用をかけても、それらには買い物客を呼び込む力はないのだ。

買い物客は普通、いつも同じ商店街で買い物をするので、店の場所はすでに知っている。店に着いたら、機械的に入口から店内に入るだけだ。その時の脳はいつもの通りに店内に入る事に集中していて、他の情報には注意を払わない。しかし、小売り業界は未だにショーウィンドウや店頭広告に無駄にお金を費やし続けている。

買い物のしやすさが顧客ロイヤリティを高める

買い物客が店内でまず行うのは、店内の「偵察スキャン」である。買い物客はまず、店内を見渡して、広さを見積もると共に、代表的な商品を手がかりにしながら、頭の中で店内の地図を描き、歩く順路を決める。人間が一度に注意を向けられる範囲には限界があるので、「偵察スキャン」の対象にならない情報は一切意識にのぼらない。

大半の人は買い物リストを持っていない。その代わり、記憶した店内のレイアウトを手がかりに、買うべきものを思い出す。そして、レイアウトが変わっても、それまでと同じ順路で売り場を回ろうとする。その時には、目的のモノを見つけるまでは、他のカテゴリには一切注意を払わない。目的のモノが見つかってはじめて、他のカテゴリに目を向ける余裕は生まれる。買い物客が時間を無駄にしないで済むように工夫している店では、客の買い物額が増え、来店頻度は高まる。

買い物客は習慣で商品を選ぶ

買い物客は無意識の内にカテゴリの「目印となるブランド」を使って、売り場を見分けながら、店内を歩く。例えば「コカ・コーラ」はソフトドリンクの棚を示す。買うつもりはない場合でも、大抵はまず目印となるブランドから探される。この目印となるブランドが、習慣化された行為を引き起こすきっかけになる。

調査から、買い物客は商品をあまり見ずに、選んでいる事がわかった。特に頻繁に買っている商品の場合はそうであった。目は売り場のいろいろな部分に向けられるが、その情報が脳で処理される事はない。いつも買っている商品を探すという「課題」にとって、それは関係のない情報だからだ。

購入の意思を最も大きく左右するのは、ブランドの印象だ。これは部分的には広告によって、部分的には関心によって、部分的には習慣によって築かれる。