今読むべき優良ビジネス書が
すぐ見つかり、読んだ本を
しっかり自分の知識にするサイト

本を検索する

カテゴリーから探す

人気のタグ

お知らせ


Android無料アプリ配信中

人はどのようにして商品を選ぶのか

買い物客の行動パターンを解析し、どのようにすれば小売店は効果的なマーケティングを行えるかを紹介している1冊。


■買い物客に注目せよ
小売り業界では、棚に並べられた商品がどのように買い物客の目にとまり、検討され、買われているのかという問いは、なおざりにされている事が多い。買い物客は何を基準に店を選ぶのか?

値段は一番の決め手になっていない。店を選ぶ時の一番の決め手になっているのは、場所だ。例えば、自宅や通勤路に近い店ほど利用されやすい。買い物にかかるお金(安さ)と時間(早さ)のどちらかを優先するかで、選ぶ店は変わる。大抵の人は買い物を退屈な雑用と感じ、他のもっと大切な用事のあいまにできるだけ短時間ですませたいと思っている。多くの先進国では、必ずしも値段の安さで店は選ばれず、自分の生活スタイルに合った場所にあるかどうかで店が選ばれている。コンビニが増え続けているのはその証拠だろう。

買い物客は通常、いくつかの店を使い分け「店で果たすべきこと(ミッション)」は、その時々の買い物によって異なる。ミッションが異なれば、店に求められる事も異なってくる。小売り店は様々なタイプの客がいる事を知り、それらの買い物の仕方に対応しなくてはいけない。つまり幅広い買い物客のニーズが、店内のレイアウトや、販促活動、棚、品揃え、根付けに反映されていなくてはならない。

超短要約

買い物客はふだんの食品の買い物では、行き慣れて、店内のレイアウトを覚えている店を利用する。どの店を利用するかは、買い物のミッション次第で決まる。買い物リストを持たない人は、店内の商品を手がかりに買うべきものを思い出している。店やブランドマネジャーが売ろうとしているものに、買い物客が気付くかどうかは、脳の視覚情報の処理の仕方とも関係している。

買い物客が商品を探す行為は習慣化していて、目当ての商品以外はほとんど目に入らない。買い物客は目印となるブランドを頼りに、売り場を見つけると共に、売り場に着いてからは、記憶した脚本に従って行動する。目当ての商品を探す時には、視覚的な手がかり、特に商品の色と形が重要な役割を果たす。

カテゴリごとに買い物の仕方は違い、商品を詳しく検討するかどうかは、どれほどそのカテゴリに興味があるかや、そのカテゴリの商品をどれほどの頻度で買っているかによって決まる。さらに、カテゴリの多くでは、同じブランドが繰り返し買われている。

これらの事実から導き出せる結論は、ほとんどのマーケティング活動は役に立っていないという事だ。中でも最大の無駄遣いは広告だ。マーケターは広告の効果を過信している。

マーケティングの成否は、店内での買い物客の判断に左右される。購入を検討してもらいやすい商品は、目に付きやすく、かつ情動の蓄積のある商品だ。広告は情動の蓄積を築く有力な手段だが、同じように、どれだけ買い物客の目に触れるかも重要である。最近の調査では、買い物客の記憶に残る事を狙った店外の看板よりも、店内での可視性の方が効果が高い事も示されている。頻繁に買い物客の目に触れるブランドほど、思い出されやすく、買われやすい。

著者 サイモン・スキャメル=カッツ

TNSグローバル コンサルティング・ディレクター 消費者行動、特に買い物客の行動分析において第一線で活躍する専門家。 ローラアシュレイや衣料品店チェーンのネクストなどの現場経験を経て、買い物客の行動調査を手掛けるコンサルティング会社を設立。 現在は、TNSグローバルにてコンサルティング・ディレクターを努めている。 彼のクライアントには、コカ・コーラ、ユニリーバ、P&G、ニュートロジーナ、クリスチャン・ディオールなど大手企業が多数ある。

この本を推薦しているメディア・人物

ビジネスブックマラソン ビジネスブックマラソン
土井 英司
マインドマップ的読書感想文 マインドマップ的読書感想文
smooth

章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
序章 p.9 12分
第1章 なぜ買い物客に注目するべきか p.29 6分
第2章 買い物客はどういう目的で店に来るか p.39 16分
第3章 ウィンドウディスプレイに効果はあるか p.65 10分
第4章 買い物客は店内でどのように目当ての商品を探すか p.81 20分
第5章 買い物客は店内で何を見ているか p.113 17分
第6章 買い物客はどのように商品を選ぶか――「カテゴリ」の影響について p.141 12分
第7章 買い物客はどのように商品を選ぶか――「習慣化」の影響について p.161 12分
第8章 買い物客はどのように商品を選ぶか――「感情や感覚」の影響について p.181 17分
第9章 ふだん買わないものを買うとき、買い物客はどのように選ぶか p.209 10分
第10章 買い物客はどのように商品を記憶するのか p.225 9分
第11章 これからの買い物はどうなるか p.239 9分

この本に影響を与えている書籍(参考文献、引用等から)

声の文化と文字の文化 声の文化と文字の文化
[Amazonへ]
錯覚の科学 錯覚の科学
[Amazonへ]
方法序説 (岩波文庫) 方法序説 (岩波文庫)
[Amazonへ]
デカルトの誤り 情動、理性、人間の脳 (ちくま学芸文庫) デカルトの誤り 情動、理性、人間の脳 (ちくま学芸文庫)
[Amazonへ]
新装版 なぜ選ぶたびに後悔するのか オプション過剰時代の賢い選択術 新装版 なぜ選ぶたびに後悔するのか オプション過剰時代の賢い選択術
[Amazonへ]
未来の私たち―21世紀の科学技術が人の思考と感覚に及ぼす影響 未来の私たち―21世紀の科学技術が人の思考と感覚に及ぼす影響
[Amazonへ]

ユーザーのしおりメモ (0)