自分の「軸」を持って働く
仕事とは「つらく、義務という位置付けの苦役」なのか、「面白く、自分を磨くお勤め」なのか。
「仕事に過度の期待を持たない」という働き方は、1つのライフスタイルのあり方として尊重されるべき考え方である。「やりたい仕事」が見つからないからといって、それで不幸になるわけではない。自分で選んだ仕事で「自己実現する」ところまで持って行くのは難しく、多くの人が食べるための「生業」として働いている面がある。
自分がどのような人間なのか。好きな仕事に打ち込みたいタイプか、それとも仕事に多くを望まず、好きな事は趣味で満足できるタイプか。仕事で悩んだら、まずはそこから思案してみる事で、何かが掴めるかもしれない。
大事な事は、自分の「軸」が持てるかどうかである。働き方は人それぞれだが、そこにはっきりした「軸」があって、納得できているのであれば、それはその人にとって正しい働き方だといえる。自分の働き方に「軸」を持っている人は、働き方がぶれないので、職場で信頼される。
やる気を調整できる方法を身につける
働く意欲や仕事へのやる気を失ってしまう時期は誰にでもある。やる気を取り戻す上で大切なのは、それが時間の変化でアップダウンするとして、そのサイクルを支える健康な肉体や健全な精神という「土台」自体をしっかりしておく必要がある。そして、やる気のサイクルを恒常的に高い位置に保っておくためには、常日頃からやる気がダウンした時の事を想定し、やる気を「自己調整」する方法を身につける必要がある。
そのために一番役立つのが、やる気を復活させる自分だけの「持論」を持つ事である。過去に何かしら努力した結果、大変な状況を乗り越える事ができたというような記憶。あるいは落ち込んだ気分の時には、こう考えるとまたやる気が蘇るというような考え方。そのような自分なりの方法論があると、落ち込んだ時に対処できる。
やる気を取り戻すための枠組みには次の4つがある。
①緊張系:不安や心配、未達成の状態を脱出したいという気持ち
②希望系:希望や夢、目的など、実現すると嬉しいという将来イメージ
③持論系:どうすれば自分はやる気が出るのかという自分なりの理論
④関係系:やる気を左右する周囲との関係
何度か落ち込みからの回復という経験を積めば、困難な状況が再び巡ってきた時でも「この程度だったら乗り切る事ができる」という「弾力性」や「しなやかさ」を手に入れる事ができる。これが人の成長の大きな鍵となる。自分の力で継続的な成功を収めている人にはほとんど例外なく、困難をくぐり抜けて自分の土台を強くしてきた経験がある。