テレビドラマを代表する6人の脚本家を評論した本。
日本のテレビドラマの歴史を紹介しながら、その発展の流れを解説した1冊。
■テレビドラマとは何か
1953年にNHKと日本テレビの本放送がスタートした日本のテレビ史は、2013年で60周年となる。つまり、テレビは極めて戦後を象徴する映像表現なのである。それはそのままテレビドラマに当てはまる。
しかし、多くの人々にとってテレビドラマというものは、作品として意識する事なく、飽きたらすぐにチャンネルを変えられる、無料で楽しめるコンテンツ、といった程度の認識ではないか。だが、テレビドラマも、着々とした歴史の積み重ねにより現在がある。
ラジオドラマと演劇から生まれたテレビドラマは、遥か彼方に存在する映画や文学と肩を並べる事を夢見て進化と発展を続ける事で、戦後を象徴する映像表現となった。そして現在では映画だけでなく漫画やアニメの表現方法をも取り込み、映像メディアとして高度な完成度に達した一方で、パソコンや携帯電話といった端末で文字や映像を送受信できるインターネットという新興メディアと、とまどいながら直面している。
キャラクタードラマとは、漫画やアニメを原作とするドラマ、あるいは漫画やアニメのようなドラマの総称として著者が命名した造語である。また、フィクションの登場人物を語る用語だった「キャラクター」は近年では人間の内面や性格を表すようになっており、その意味では、内面としてのキャラクターを描いた作品もまた、キャラクタードラマと規定できる。無論、人間がキャラクターとして振る舞う環境を用意したのがインターネットである事は言うまでもない。
著者 成馬 零一
1976年生まれ。ライター ドラマ評論家。テレビドラマ、アニメ、映画、漫画、音楽、アイドルなどについて執筆。
帯 コラムニスト 中森 明夫 |
帯2 評論家 宇野 常寛 |
週刊 ダイヤモンド 2014年 2/15号 [雑誌] 丸善・ジュンク堂営業本部 宮野 源太郎 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに テレビドラマとは何か。 | p.2 | 6分 | |
第1章 岡田惠和 人間とキャラクターの間で。 | p.17 | 30分 | |
第2章 坂元裕二 トレンディドラマの申し子。 | p.59 | 21分 | |
第3章 遊川和彦 愛を武器に戦っていく。 | p.89 | 28分 | |
第4章 宮藤官九郎 フィクションで現実を上書きする。 | p.129 | 20分 | |
第5章 木皿泉 老いとファンタジー。 | p.157 | 21分 | |
第6章 古沢良太 徹底した職人性と隠しきれない狂気。 | p.187 | 20分 | |
終章 インターネットとテレビドラマ | p.215 | 7分 | |
あとがき | p.225 | 2分 |