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2014/04/11更新

地域の「おいしい」をつくるフードディレクションという仕事

162分

2P

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地域の「食」の価値を再構築する

地域の「食」の魅力を発見し、ブランディングするフードディレクターの仕事を紹介した本。地域活性化が叫ばれる中で、いかに都心の人の心を捉える商品を作ればいいのか。様々な地元商品をプロデュースしてきた事例が解説されています。


■フードディレクターとは
「フードディレクター」という仕事は、料理をする事ではない。それよりももっと前の段階で考えられるべきこと、「いつ」「誰と」「どこで」「どのように」「どのくらい」「何を食べるか」を考える事が仕事である。例えて言うなら「食の建築家」。

食の世界には食物をつくる人、道具をつくる人、流通させる人、料理する人、販売する人と、食べる事を軸にしていろいろな役割の人が存在し、それぞれの専門性は深化し続けている。食に関わる様々な人を紡ぎ、食のシーンを多様に織り上げるのが仕事である。

超短要約

■フードディレクションのステップ
「新しい商品をつくりたいんです」 例えば老舗の鰹節問屋からこんな相談が舞い込んできたら、あれこれ考え始める。どんな鰹節商品を取り扱っているのか。一番売れている商品は何か。それを誰が買うのか。直売もしているのか。何年、続いているのか。

さらに一歩奥に踏み込んで、彼らの言う「新しい」とは一体どういう意味なのかを考察する。画期的な製法なのか、一個食べきりの個包装なのか、自分で削って試せる店か。どんどん掘り下げて「新しい商品をつくりたい」という相談を分解していく。相談の真意を掴むところから、フードディレクションという仕事は始まる。

①課題の発見
なぜ「新しい商品」が必要なのか。そこには必ず理由がある。そして、その理由はクライアントの「一番困っていること」と重なり合っている。既にクライアント側で考えられていた「新しい商品」が、課題解決にはなっていない事もある。そのズレにいち早く気付き、そのズレをはっきりさせる事で、開発の軸を立て直す。従って、フードディレクションの初期段階では「聞く」「調べる」「理解する」の連続である。

②コアアイデンティティとゴールイメージの設定・共有
課題発見の後は、商品の中身と目的を決める。コアアイデンティティとは「一番の価値」に相当する。それが世の中にもたらす一番の価値とは何か。それはクライアントにどう貢献するのか。フードディレクターは自ずと事業全体の方向性に関わるようになる。

③アウトプットのクオリティ管理
コアアイデンティティを確定すると、いよいよ制作が始まる。そして、企画倒れにならないよう、アウトプットのクオリティ管理をする。最上の仕上がりを目指す上で、大事にするのは、3つの美「最適美」「表現美」「新鮮美」である。課題の解決ができているか、コンセプトとズレがないか、予算との兼ね合い、バランス。
仕上がりのイメージを見失えば、何度でもコンセプトに立ち返る。

■「味」を考えるから「食べる」を考える時代
フードディレクターの仕事は「大胆な手法で誰も見た事のないような新商品を開発する」というより、「つくり手の価値を食べる人に伝え、食べる人の希望をつくる人に伝える、というスタンスでフードビジネスに入り込む」という方がしっくりくる。

例えばそれは、産地の紹介や、パッケージの素材の選定や、ネーミングといった、一見、未来とのつながりを感じない地道な作業である。けれども近い未来の小さな変化は遠い未来の大きな変化を導く。

つくる人と食べる人の間に立ち「日本の食をどうつくるのか」というビジョンのもとに、商品開発を担う。こういうプロセスを重ねていく事で、時代を経ても「価値ある食品」となれるような味を生み出していく。

著者 奥村文絵

1971年生まれ。フードディレクター 大学卒業後、東京デザインセンターに勤務。同時期、広告や雑誌で料理のスタイリングを行うフードコーディネーターのスクールに通う。 福岡へ移り住んだのち、地元のフードコーディネーターのアシスタントに。2000年独立。東京に戻りキャリアスクールで講師を務めながら、食にまつわるプロジェクトに企画から携わることを目指し、飲食業の店舗ディレクションや地域の特産物の商品化などを手掛ける。 2008年、食を専門とするクリエイティブディレクションファーム「Foodelco inc.(フーデリコ)」を設立。2011年から関東学院大学非常勤講師

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帯
D&DEPARTMENT代表 ナガオカケンメイ

章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
はじめに p.12 2分
1章 フードディレクションとは p.15 12分
2章 地域の「おいしい」のつくり方 p.35 83分
3章 消えゆく日本の食文化をつなぐ人々 p.169 16分
むすび p.195 6分

この本に影響を与えている書籍(参考文献、引用等から)

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