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2014/03/07更新

イーロン・マスクの野望 未来を変える天才経営者

166分

4P

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NASAがやらなきゃ、オレがやる

ライバル関係にあったコンフィニティ社とXドットコム社が、2000年に合体してできたインターネット電子決済サービス会社が「ペイパル社」である。そして、eBayがペイパル社を15億ドルで買い取った事で共同創業者だったイーロンは約1億7000万ドルの資産を手にする。それを元手に宇宙ロケット企業「スペースX」を2002年に創業した。

世の中には巨額の資金がないと参入すらできない業種が存在する。その代表格が宇宙ロケットビジネスだ。イーロンは、なぜそんな宇宙ロケットの世界に足を踏み入れたのか。2002年、イーロンは大学時代からの友人に「ペイパルのあとは何をするんだ?」と何気なく尋ねられた。イーロンは「宇宙にはずっと前から興味はあったんだ」と呟き返した。宇宙ロケット開発はカネはかかるし複雑でややこしい。しかし、2人は揃って「でも、人類が火星に行くのは間違いない」と盛り上がった。「じゃあ、何で人類はこれまで火星に人を送らなかったんだ?」。イーロンはNASAのサイトをチェックしたが、火星については何も書いてなかった。宇宙ロケットのコストがあまりに高い事こそが、火星へ人を送り込む事を捨てた原因だった。ならば、「火星ロケットを自分で作ればいいじゃないか」とイーロンは意を決した。

ロケット開発を目指したイーロンの最初の一歩は「ロケットの材質は何からできているか?」という疑問から始まった。答えは、航空宇宙用のアルミ合金、チタン、銅、炭素繊維である。次に「これらの材料は市場価格はどのくらいか?」。辿り着いた答えは、ロケットの材料コストは開発全体のコストのたった2%だということ。この値は、他の機械製品と比べ物にならないほど低い数値で、例えばテスラ社の自動車なら20〜25%、パソコンに至っては90%が業界の常識だ。ここから「ロケットの総コストは下げられるんだ」という確信を得た。

不可能を可能にする

イーロンはスペースX社のメンバーと同社の初の宇宙ロケット「ファルコン1」の開発に着手していく。そこには「人類を火星に移住させる」という壮大な信念が宿っていた。しかし、挑戦と成果の間には過酷な試練が待っている。ファルコン1は2006年から三度の打ち上げに失敗し、2008年4度目にして打ち上げに成功した。これまでに費やしたコストの総額は1億ドルだった。

イーロンが「スペースX」を立ち上げ宇宙ロケット開発に参入した時、多くのロケット専門家や航空宇宙評論家たちは「不可能だ」と切って捨てた。しかし、イーロンの宇宙挑戦は「不可能だという大人たち」との戦いだった。

イーロンたちはファルコン1の打ち上げ価格を670万ドルと発表し、世界中を仰天させた。これは従来のロケットより劇的に安かった。量産化の考えを持ち込み、コモディティ化を図ったのだ。