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2014/03/12更新

事業創造のロジック ダントツのビジネスを発想する

193分

6P

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ビジネスモデル設計の出発点

ビジネスモデルを設計する上で重要な要素を集約すると、特に重要な2つにまとめる事ができる。1つは「顧客にとっての魅力を高めること」。もう1つは「ライバルが追随できないようにすること」である。

顧客にとっての魅力を考える上で重要な事は「顧客は誰なのか」という事をはっきりさせる事である。その見極めによって、ビジネスのコンセプトが全く変わり、結果が大きく変わる。ジョブの定義が違えば、商品を流すチャネルも変わるし、訴えかけるべき事も違う。

「ライバルが追随できないようにする」というのは「模倣困難性」を高めるという事である。模倣困難性を実現する要因として重要なものは、まずは「資源」である。技術、設備、人材など、会社が持っている「資源」が他社より優れていたりすれば、それは模倣困難性に結びつく。

ビジネスモデルを設計する時には、顧客をど真ん中に置いて考える。つまり、最初に買い手を決める。顧客を決めた上で、自分の事業はインパクトのある魅力を提供できるのか、ライバルと違う仕組みで持続的に優位に立てるのかをチェックする。

経済性原理を考える

事業所向け弁当宅配の『玉子屋』は、東京のオフィスで働くビジネスパーソン向けに昼食の弁当を配送している。1日に提供する弁当の数量は平均7万食。1日に2000食売れば大手と言われる弁当業界にあって、他社の追随を許さない規模である。

玉子屋の弁当は日替わりで、メニューは毎日1種類のみ。価格は一律430円。価格を抑え、消費カロリーを控え目にして、なおかつ味の良い弁当をオフィスまで届けるのが顧客に提供している価値である。このメニューが1種類しかないのが、玉子屋のビジネスにとって重要なポイントになっている。メニューが1つだけだから、廃棄ロスを減らしてコストを下げ、その分を食材のコストに回す事ができる。玉子屋の弁当の人気の秘密は、同業他社よりも食材の充実を図っているところ。原価率は、同業他社より10〜15%も高い50%前後に設定されている。玉子屋は事業の構造を変える事によって、良い食材を使いながら、価格を安く抑えるという作戦で、ライバルと競争している。ひたすら1品メニューというポイントを守りながら「規模の経済」を追求しているのである。

世の中には「こういうふうにすればこうなる」という因果関係を主張する法則がある。玉子屋はそれを知っていて、ビジネスモデルに組み込んでいたから、突き抜ける事ができた。

①規模の経済:規模が拡大すると単位当りコストが低下→1品メニュー化
②経験の経済:経験が蓄積されると単位当りコストが低下→独自の配送ノウハウ
③範囲の経済:製品の種類の拡大が単位当りコストを低下→事業所向け弁当配送に特化
④ネットワークの経済:利用者の拡大が利用便益を増加