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2014/02/26更新

エリートの条件

74分

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トップダウン式で目標を定める

未来の事を考える時、「トップダウン式」と「ボトムアップ式」という2つの考え方がある。例えば、自分が就きたい職業が決まれば、大学の選択もおのずと決まる。これを「トップ」として、あとの判断を下の段階に落としていく方法がトップダウン式。最初にトップを決めれば、それに近づくために、自分が何をしなくてはならないかがはっきりしてくる。

一方、ボトムアップ式では、模擬テストの偏差値を見ながら受かりそうな大学に進学していく。次に大学卒業を前にして就職活動が始まると、自分の大学の偏差値に即して、就職できる会社を探そうとする。これらのプロセスには、どんな仕事がしたいのかという自分の意志が全く反映されていない。

ボトムアップ方式の決め方には、個人の主体性は求められない。逆に、主体性をもって積極的に計画を立てていけば、自分の意志で未来を切り拓いていく事ができる。それが「エリート」と呼ばれる人たちに共通する姿勢である。

まず楽しいと思える事を見つける

いわゆるエリート校といわれる学校の多くは、どこも自由な校風が特徴で、生徒たちに「勉強しなさい」などと迫ったりしない。そもそも授業という枠組みの中では生徒の個性はなかなか出てこない。一方、課外活動では、生徒の好みや得手不得手に合わせてやりたい事を選べるので、各自の個性が発揮されやすい。

好きなものであれば、たいてい執着心をもって続けられる。そんな自分の得意分野を1つでも多く見つけられるように、多くの学校で課外活動に積極的に参加する事を勧めている。まずは楽しいと思える事を見つける事である。途中でくじけそうになったら、自己実現ができた時の理想の自分の姿を想像し、やる気を持続させるといい。周囲からエリートと認識されている人たちは、誰もがこうした姿勢を貫いてきた人たちばかりといえる。

エリートの育て方

日本における教育には「教えない」という基本姿勢が根付いている。最たる例が、職人の世界の「芸は教えてもらうのではなく、盗まなくではダメだ」というもの。しかしこれでは、教わる側はいつになっても自分に対して自信が持てない。試行錯誤を繰り返すばかりで、闇雲に突き進む事になる。

さらに日本社会の特徴は「褒めない」こと。どんな分野においても、褒めるという行為は、褒める側が「望ましい」と思っている価値を相手に伝える事である。褒められた側は、自信を持ち、自分のやっている事は望ましい価値を持つのだと実感し、それを続けていく動機が生じる。

子供に備わった能力を引き出すには、変化や成長を見逃さず、観察力を発揮して褒め続ける事である。そうしている内に、子供は自然と自分の好きなものを見つけ、さらに得意なものにしようと執着心を見せ始める。