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2014/02/10更新

逆境経営―――山奥の地酒「獺祭」を世界に届ける逆転発想法

155分

4P

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経営危機が生み出した銘酒『獺祭』の物語

酒造り改革で、二度の経営危機を乗り越えてきた旭酒造。純米大吟醸市場でトップとなり、海外でも注目される『獺祭』はどのようにして生まれたのか。


■『獺祭』というお酒
旭酒造は、山口県の山奥にある酒蔵である。今では社名よりも『獺祭(だっさい)』という銘柄の方が知られている。この『獺祭』という酒は、テレビCMも流していないし、量販店やコンビニといった酒販業態ともほとんど付き合いがない。ただ、東京の料理屋さんあたりで飲まれた事のある方が増えて、「だっさい」と読んでもらえるようになった。

旭酒造で出しているお酒の銘柄は『獺祭』しかない。この「たった1つ」を「最高の1つ」に磨き上げる事で、着実に多くの方に届ける事ができるようになった。『獺祭』の出荷数量は1万1400石(1石=1升瓶100本)と、純米大吟醸という酒別で全国トップとなった2000年からは海外展開を始め、すでに約20ヵ国で販売している。

しかし、旭酒造は、初めから世界進出を見込んで、マーケティングや戦略を立ててきた訳ではない。山奥の小さな酒蔵での第一歩は、死ぬか生きるかという、どん底からの重苦しいものだった。

超短要約

米を磨き込む精米歩合の比率の違いにかかわらず、旭酒造の酒はすべて『獺祭』という。

本当に美味しい酒を造るにはどうすればいいのか。考えた末に行き着いたのが、最高品質の酒米である山田錦を使った、最高品質の純米大吟醸しか造らない、今の体制である。70点を目指すのではなく、120点の酒造りにこだわっている。

著者 桜井 博志

1950年生まれ。旭酒造代表取締役社長 家業である旭酒造は、江戸時代の1770年創業。1973年に大学卒業後、西宮酒造(現日本盛)での修業を経て、1976年に旭酒造に入社するも、酒造りの方向性や経営をめぐって父と対立して退社。1979年に石材卸業の桜井商事を設立し、年商2億円まで育成したが、父の急逝を受けて1984年に家業に戻る。 研究を重ねて純米大吟醸「獺祭」を開発、業界でも珍しい四季醸造を導入したり遠心分離機を活用するなど、「うまい酒」づくりに向けた仕組化を進めてきている。

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章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
第1章「負け組」の悲哀を忘れない p.1 15分
第2章 大失敗から学ぶ p.29 14分
第3章 捨てる勇気を持つ p.55 11分
第4章 「できること」と「やるべきこと」をはき違えない p.75 13分
第5章 常識や慣習にとらわれない p.99 20分
第6章 伝統が持つ奥深さを侮らない p.137 12分
第7章 発信しなければ伝わらない p.159 17分
第8章 打席に立ったからには、思い切りバットを振る p.191 8分
おわりに p.207 1分

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