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2014/02/18更新

ITビジネスの原理

140分

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「ユーザー」そのものが商品になる

インターネットの最大の特徴は、空間(距離)的、時間的な制約なしに世界中を結ぶ、という事である。つまり、2つの場所がどんなに離れていようが、相手の事情が手に取るようにわかってしまう。これは、これまでビジネスを成立させていた「場所による価値の違い」そのものをなくしてしまうのである。

インターネットは「価値の違いを金に換える」ビジネスをやりにくくしてしまったが、それでも全くできなくなった訳ではない。その一例がリクルートに代表されるような情報ビジネスである。ここでは「価値の差」が「情報の差」に置き換わる事で、ビジネスとして成立している。「転職ノウハウ」という情報を持つ、持たないというギャップ、「転職希望者の個人情報」を持つ、持たないという情報のギャップが、ビジネスになっている。ここでリクルートがやっているのは、世界中に点在している情報を探し出して、1ヶ所に集めるという事である。その事が価値を生んでいる。転職者を探している企業は、その価値に対して金を払う。

この「点在する情報を1ヶ所に集める」という作業は、インターネットが非常に得意とするところでもある。これがインターネット上のビジネスでは基本的なスタイルの1つになっている。

リクルートがやっているのは、世界中に点在しているユーザーを集めて、ユーザーを探している企業と結び付けるという作業である。ここに生じる価値をお金に換えている。インターネットのビジネスというのは「ユーザーを安く仕入れて高く売る」ものと言える。

2つのプラットフォーム

ユーザーを探し、集める事は大変である。TAC(Traffic Acquisition Cost)という指標がある。これは、ユーザーを獲得するために払っているコストである。インターネットビジネスにおいては、いかにこのTACをゼロに近づけるかというのが大きな課題になる。そのためには、ユーザーの方から勝手に集まってくるようにできるかが勝負の1つになる。

ユーザーを集めたら、彼らが欲しい情報とユーザーを欲しがっている企業を適切に結び付けなければならない。最適なマッチングを実現するためには、何よりもユーザーが求めているものが何なのかを正しく把握しなければならない。

①ユーザーの意図を先鋭化させて正しく把握する
②その意図に基づいて最適なものを提示する

この2つの仕組みがきちんと回る事が、インターネットのビジネスでは重要な事である。これは、GoogleやAmazonのようなサイトでも、原理的には同じである。お金はユーザーにアプローチしたいと考えている企業からもらう。これは広告ビジネスである。情報をユーザーに買ってもらう場合は、課金ビジネスになる。