今読むべき優良ビジネス書が
すぐ見つかり、読んだ本を
しっかり自分の知識にするサイト

本を検索する

カテゴリーから探す

人気のタグ

お知らせ


Android無料アプリ配信中
2014/02/20更新

福島屋 毎日通いたくなるスーパーの秘密

  • 福島 徹
  • 発刊:2014年1月
  • 総ページ数:208P

133分

2P

  • 古典的
  • トレンドの
  • 売れ筋の
  • すぐ使える
  • 学術系
  • 感動する
  • ひらめきを助ける
  • 事例が豊富な

対象読者:

アマゾン詳細ページへ

福島屋はなぜ強いのか

多くのスーパーでは、売れ筋商品やナショナルブランドのものが数多く並べられている。同じ商品であれば、お客様は安い方を買おうとする。そのため、競合同士の低価格競争に陥る。

福島屋では、他店との差別化や集客のための安売りは一切行っていない。オリジナリティの高い商品を揃えている事もあり、必ずしも安くない。それでも福島屋に来店してくれるのは「安心安全で、美味しい」と信頼してくれているからである。安心安全で美味しいという商品の特性が、そのまま福島屋への信用になっている。

福島屋の売り場には、商品ごとに添加物の情報や、味わいについて説明するPOPが添えられている。商品を売る前に、まず商品の魅力を伝える事が大事だと考えている。仕入れも「この商品はお客様の役に立つものなのか」といった視点で判断する。お客様の目線で、愛情と意志を持って、正しく適切な情報を提供する売り場をつくれば、それはそのままお客様に伝わる。そして、納得してくれれば必ず買ってくれる。

スーパーは「売り場」が要

お客様がワクワクしながら買い物できるスーパーにするにはどうすればいいのか。まず、味や品質が良く、価格とのバランスもとれていて、お客様にとってお得な商品が揃っている事が基本である。それから、お客様の気持ちになって考える。おすすめの商品を前にして、お客様のいくつかの購買欲求のパターンを想像し、いったい自分はどのタイプのお客様にこの商品をアピールしたいのか、その観点から売り場を考える。

気をつけたいのは、決して押し付けがましくならないようにすること。お客様が商品を選ぶ際の判断材料を正直に伝える。そこに徹するのがポイントである。売上が気になってくると、つい「売れるかどうか」というスタンスで棚に商品が並んでしまいがちになる。すると「価格訴求」に走ってしまい、押し付け型の売り方になってしまう。あるいは誰もが知っているナショナルブランドの知名度に頼ってしまう。

やはり、スーパーは「売り場」が要である。売り場がオリジナリティを失うと、お客様の足は遠のく。売り場づくりという作業には人間性が出る。売り手が商品の事を真剣に考え、かつお客様の事を考えて丁寧に仕事をすれば、おのずとお客様は商品や姿勢を理解し、買ってくれる。

福島屋は、各店舗の売り場担当が卸市場や産地、メーカーなどを訪ね、仕入れを行っている。本部が一括して仕入れを行うチェーンストアとは一線を画す。本部が仕入れるのは効率もいいし、コストも削減できる。しかし、それでは現場とのコンセンサスがとれないまま売り場が成り立ち、売り場に力がなくなる。