テレビ番組『プロフェッショナル 仕事の流儀』や『カンブリア宮殿』などでも取り上げられるスーパー福島屋の経営が紹介されている一冊。
なぜ、町のスーパーが強いのか?
■スーパー福島屋とは
東京都心から西へ45km離れたところに位置する羽村市。人口約57000人のこの町に、スーパー福島屋の本店がある。年商41億円、社員数約350人の中堅スーパーである。
本店の周辺には大手スーパー、中堅スーパーなど競合店が立ち並ぶ。しかし他社とは価格で競争する事なく、また、安売りや折り込みチラシも使わず、独自の経営方針でここまで進んできた。他のスーパーと違う一番の特色は、オリジナルな品揃えとコミュニケーションを大事にした運営管理である。例えば、青果売り場には、無農薬でつくられた自然栽培の、旬の野菜や果物を中心に並べている。秋であれば、それに加えて、地方の農家の方が里山で収穫してくれた山菜やきのこ等も並ぶ。野菜の隣には、生産者の顔がわかる写真や、育った環境、味わいなどを説明したPOPがある。
調味料や加工品などのコーナーは、全国各地で見つけ出した逸品の数々が陳列棚の大半を占める。価格訴求ではなく、店の魅力を高めてお客様にファンになってもらうというやり方を20年以上前から続けている。
今、多くのスーパーでは「吟味する力」が失われている。卸業者に吟味してもらい、店舗に商品が並ぶような状況である。これでは本当に安心できる商品なのか、食の安全性が保障されているのかわからない。
売る側であるスーパーが、毎日しっかりと自分たちの意志と責任で売り場をつくっていく事が大切である。
著者 福島 徹
1951年生まれ。福島屋 会長 東京都羽村市にある食品スーパーマーケット「福島屋」代表。株式会社ユナイト代表取締役社長、農業法人「NAFF」の取締役を兼務。 大学卒業後、家業のよろず屋を継ぎ、酒屋、コンビニを経て、34歳のとき、現在の業態へ。その後、東北の生産者から直接、米を仕入れるなど農業との距離を縮め、コラボレーションによる福島屋オリジナル商品を多く開発。ユニークな経営方法が注目を集め、「福島屋」には全国から視察者が訪れている。 2014年1月には森ビルが開発する「アークヒルズ サウスタワー」(六本木)に「FUKUSHIMAYA TASTING MARKET」を出店。
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
日経トップリーダー |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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第1章 Philosophy 町のスーパー福島屋が強い理由 | p.9 | 9分 | |
第2章 Turning Point 失敗から学んだ「商売で大切なこと」 | p.27 | 8分 | |
第3章 Principles 「 売り場づくり」はスーパーの要 | p.43 | 24分 | |
第4章 Careful selection 実践で学んだ「吟味」する力 | p.89 | 10分 | |
第5章 Partnership 生産者さんとの連携で「共存共栄」 | p.109 | 17分 | |
第6章 Project 「 講座ビジネス」が小売り業の核になる | p.143 | 12分 | |
第7章 Challenge これからの小売業の在り方 | p.167 | 6分 | |
特別対談 | p.179 | 13分 |