私達が成功のための戦略を立てる時に直面する問題は、成功についても嘘の話があるという事だ。成功を妨げる6つの嘘は、「一つのこと」を重視する生き方を難しくしてしまう。

①すべてのことは等しく重要
100もの仕事を片づけたとしても、それは1つの意義ある仕事に及ばない。すべてが等しく重要なのではなく、成功は最も多くの仕事をした者が勝つゲームではない。成功者ははっきりとした優先順位にもとづいて働く。パレートの法則によれば、あなたが求めるものの大部分は、あなたの行為のごく一部によってもたらされる。重要な20％を特定して、その中からさらに重要な少数を見つけるのだ。最後に最も重要な「一つのこと」に行き着く。

②マルチタスクは効率的
マルチタスクは効率的でも効果的でもない。人は同時に2つの事に集中できない。ある研究によると、仕事を切り替えるために余分にかかる時間は、その仕事の複雑さによって変わるという。単純な仕事では25％かそれ以下の時間の増加で済むが、複雑な仕事では100％かそれ以上の増加になる。私達は仕事の切り替えにそんな代償を払っているのだ。

③規律正しい生活が必要
成功するために規律正しい人間になる必要はない。一般的に考えられているほどすべてに規律正しくなくても、成功する事はできる。成功するためには正しい事を行う必要があるが、すべてを正しく行う必要はないからだ。成功の秘訣は、正しい習慣を見極め、訓練してそれを自分のものにする事だ。

④意志の力は常に万全
意志の力は使われるたびに消費され、減っていくが、使われていない間に再充電する事ができる。私達は意志の力も、うまく割り振らなければならない。カギは、タイミングである。1日を有効に活用したいなら、意志の力が低下しない内に、最も重要な「一つのこと」をやってしまう事だ。

⑤バランスのとれた生活が肝心
目覚ましい成果を手にするには、優先事項に注意力を集中し、時間を割く必要がある。1つの事に時間を費やせば、他の事に時間を割けなくなる。バランスをとる事は不可能だ。バランスの問題は実は優先順位の問題である。「バランスをとる」を「優先順位を決める」に変えれば、選択肢ははっきりする。

⑥大きいことは悪いこと
大きく考える事は、目覚ましい成果を手にするためには不可欠だ。成功するには行動しなければならず、行動するには考えなければならない。大成功の出発点は、大きく考え、それによって得られた情報をもとに行動を起こす事だ。「大きいこと」を恐れてはいけない。恐れなければならないのは月並みな事だ。