世界中の空気が澱む
日本の環境技術は世界でも抜きん出た高いレベルを誇っている。GDPあたりの一次エネルギー供給量は、アメリカやEUと比べても半分。世界平均の1/3に収まっている。同じくGDPあたりの二酸化炭素排出量は欧米の半分だ。また、太陽光発電のパネル熱変換効率は世界トップ、地熱発電の蒸気タービンは世界シェアの70%を占める。これらの高い技術は新興経済国が多いアジアを中心に輸出されている。
世界中の一流ブランドが収益ダウン
日本は世界でも4位に入る高級ブランド市場。ヨーロッパ38%、南北アメリカ29%、アジア・パンパシフィック15%、日本12%。日本だけが単独で地域として扱われている。
世界中の特産品が続々となくなる
世界中のいろいろな分野で日本が大のお得意様というものは意外と多い。例えば、コーヒーの高級品種「ブルーマウンテン」の輸出量の95%が日本向け。日本人がいなくなると、生産地全域で大打撃を受ける。また、ワインの「ボジョレーヌーボー」の日本の輸入量は、生産量の1/4を占める。
世界中の通信網が混乱
インターネットを中心とした通信網は、日本の技術がなければ今日のような利便性を維持できない。光ファイバー業界にあっては、日本は世界シェアトップ10に3社を送り込んでいる。さらにファイバー同士をつなぐ融着機でシェア1位の会社も日本の会社だ。
ボーイング787は飛べなくなる
世界最大の航空機メーカーのボーイング社は、機体の7割を国内外の企業に外注している。その日本企業の分担比率は35%にもなり、圧倒的に他国よりも高い。これはボーイング社自身が担当する割合と同じで、「準日本産」と称しても大げさではない。
庶民の「足」が世界から消える
ASEAN地域で、日本車のシェアは8割にも達する。特に人気なのは軽自動車で、日本製は故障しにくく耐用年数が長いと評判だ。インドでは「スズキ」が66%もの高いシェアを占める。
世界中の工場が操業ストップ
部品の供給などで日本が受け持っているのは、高度な技術を必要とする精密部品などだ。例えば、IT産業に欠かせない半導体などの土台となるシリコンウェハー。この表面を100万分の1ミリ単位で平坦に磨く研磨材の分野で世界シェア9割を誇るのも日本企業である。
トンネル工事の期間が大幅増
日本の「スゴい」にはトンネル採掘技術もある。20世紀に入り、トンネル採掘の世界で日本は、2つの大きな記録を樹立している。1つは1942年に開通した、世界初の海底トンネル「関門トンネル」で、もう1つは世界最長の鉄道トンネル「青函トンネル」だ。日本は地形的な制約からトンネルが多い国で、現在の主流となっている「シールド工法」など、トンネル採掘技術の中で大きな発明をしている。