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2014/01/27更新

ビッグの終焉: ラディカル・コネクティビティがもたらす未来社会

373分

4P

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自身の価値観を守れ

今ある社会機構は私達の期待を裏切っている。政府は肥大化して、機能不全に陥っている。それでも、道路を直したり、公序を保ってくれたり、市場が支配すべきでない公共圏を作り出す人が必要である事に変わりはない。現代社会は民主的な価値観の上に成り立っている。小さな政府、法の支配、自由市場、宗教、言論、報道、集会の自由。テクノロジーをどう設計し、どう使うかを今よりもっと慎重に選択しなければ、私達が長い年月をかけて築き上げてきた価値観と相容れない未来に行き着く事になる。こうした価値観が失われるようなら、その先にあるのは、混沌として、制御不能で、破滅の危険すらある未来でしかない。

「大きなもの」の時代が終わって、小さな企業が無数に生まれて、政府がそれを規制できなくなったらどうなるのか。あなたが口にする食品、飲む薬、運転する車が安全だと確信を持って言う事ができるのか。信頼できるニュースが報道されなくなったら、文化的権威が後退して新たな暗黒時代が始まったら、どうなってしまうだろうか。現代の民主主義は、どのように機能するのだろう。

「オープン」は響きがいい。オープンな政府、政治のオープンソース化。しかし、ウィキリークスが外交や政治に与えた甚大な影響は「オープン」という言葉では表現しきれない。テクノロジーが政治に影響力を持つようにしたのは、ナード(おたく)たちの閉じた世界である。それに一部の企業がテクノロジーを支配している現状は「オープン」からはほど遠い。アップル、グーグル、フェイスブックしかりだ。現代の民政技術は、既成の機関、古い社会構造、伝統を打ち壊して個人に力を与えること、そして、コンピューター・ナードの権威と特権を守るように設計されている。ラディカル・コネクティビティは、既存のものを破壊し、社会に混乱を招くばかりか、危険ですらある。

社会の秩序と民主主義の価値観を守るためには既成の大きな機関が不可欠である事に変わりはないのに、その大きな機関の崩壊を止める方法は、今の時点でない。私達に重要なのは、自身の価値観を深く理解し、そうした価値観に基づいて意思決定する事だ。次の10年間は、ラディカル・コネクティビティが解き放つボトムアップ型の草の根エネルギーが大きな力を持つようになる。そうしたエネルギーを強力なリーダーシップと結合させて、大きな政治のムーブメントを作り、新しいビジネスを築き上げる者が、時代を支配する事になる。私達に求められているのは、国家がよって立つ価値観に立ち戻る事であり、今ある機構を新しく作り替える事だ。小さなものに新たな権限を与える事から出発し、自らを律し、すべてを築き直さなければならない。