ビジネスモデルを考える時には、まず課金するポイントから考えること。
様々な利益を出すためのパターンを紹介しながら、利益を出すビジネスモデルを生み出すフレームワークを提示しています。
■儲ける仕組みを考える
儲ける仕組みを構築するためには、顧客価値提案と利益設計を融合し、さらに斬新なアイデアを実現するための方法論が求められる。儲ける仕組みの全体像を示すフレームワークが「9セルメソッド」である。これは2つの軸からなる3×3のマス目で構成される。
軸の1つは「ビジネスを作り出す要素」である。具体的には「顧客価値」「利益」「プロセス」である。もう1つの軸は「ビジネスに必要な疑問」で、「誰」「何」「どのように」の3つである。1つ1つの質問に対する答えがビジネスの構成要素となり、最終的に「儲ける仕組み」を作り上げていく上での大切なパーツとなる。
革新的なビジネスモデルを作り出すためのコツは「ある程度顧客価値提案が煮詰まったら、利益設計からスタートさせる」事である。斬新な顧客価値提案も、課金ポイントを起点に生み出されている。
儲け方は直接的な「販売」以外にもたくさんある。利益の源泉をどのように課金するかを考える。
・源泉
①直接販売:製品やサービスの提供と、顧客の支払いが対応している
②販売後サービス:取扱いが複雑な製品の販売後のサービスで儲ける
③コンテンツ:コンテンツを提供した媒体(WEBや雑誌)で儲ける
④ファイナンス:顧客への金融サービスなど、補助サービスで儲ける
⑤ロイヤルティ:知的財産による他者の権利利用に伴う対価で儲ける
・課金
①商品対価:商品の販売と引き換えに代金を回収する
②固定制:使用量にかかわらず、固定料金を徴収する
③従量制:利用した量に応じて課金する
④マークアップ:利益を加えて再販売する
⑤紹介料:紹介によって手数料を得る
⑥広告料:他社の広告による課金
視点をずらす事で、様々な儲け方が生まれる。ブランド力を持たない会社が新しいビジネスを始める時,すべてのお客様から儲けようと思うと、成功確率は低くなる。そこで「特定のお客様」を組み合わせながら儲けを生む仕組みを考える。
同様に「すべての商品」で儲けようと考えるのではなく、マージンの異なる商品やサービスを組み合わせて、必要な利益率を確保する。さらにもう1つ「時間軸」を加える事でさらに異なった儲け方が認識できる。
著者 川上 昌直
1974年生まれ。兵庫県立大学経営学部教授 2001年より2008年まで福島大学経済経営学類准教授。2008年に兵庫県立大学経営学部准教授に就任し2012年より教授となる。専門はビジネスモデル、利益ロジック。日本経営学会および日本経営財務研究学会所属。 大学で教鞭をとるかたわら、中小企業から東証一部上場企業まで、規模の大小や業種を問わず多岐にわたるプロジェクトに関わり、事業構築メソッドを確立。企業や内閣府などの研修も行い、マーケティングから利益ロジックまでを含めた事業構築に関する新たな論点を発信し続けている。 2012年からはゼビオグループのマーケティングカンパニーであるクロススポーツマーケティング株式会社の社外取締役も務める。
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
マインドマップ的読書感想文 smooth |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
はじめに | p.8 | 4分 | |
CHAPTER1 儲ける仕組みに変わる | p.23 | 22分 | |
CHAPTER2 業界のルールを変えた新しい利益モデルを徹底解剖 | p.59 | 29分 | |
CHAPTER3 ビジネスモデルを変える利益ロジック | p.107 | 24分 | |
CHAPTER4 顧客の活動にシンクロさせて課金ポイントを仕込む | p.147 | 24分 | |
CHAPTER5 ブレイクスルーの鍵は「サービス業的思考」にあり | p.187 | 7分 |
フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略 [Amazonへ] |
ザ・プロフィット 利益はどのようにして生まれるのか [Amazonへ] |