まずは人が欲しがるものを作れ
グロースハックとは、ツールキットというよりも、マインドセットだ。このマインドセットは、製品発表の数週間前に始まるのではなく、製品の開発・設計フェーズから始まる。
マーケティングで絶対にやってはいけない事は「誰も欲しがらないものを売ろうとする」事だ。グロースハッカーは、製品やサービス、あるいは事業そのものは、それを見た最初の人が強い反応を示すレベルになるまで改良できるものであり、また、そうすべきだと考える。
グロースハッカーは「プロダクト・マーケット・フィット(PMF)」と呼ぶ、サービスと顧客が完全にシンクロするレベルに到達するまで、長い時間をかけて調査とイテレーション(短い間隔で反復しながら行う開発サイクル)を行う。旧世代のマーケターが、サービスが完成してからマーケティングを始めるのとは対照的だ。マーケターは、PMFが奇跡的に達成されるのを待つのではなく、このプロセスに参加する必要がある。マーケターの仕事は、手にした製品をそのまま扱うのではなく、製品に取り組み、改良する事なのだ。
PMFに到達するために最も効果的なのは「ソクラテス式問答法」だ。あらゆる仮定について、繰り返し質問する。「誰のための製品なのか?」「なぜユーザーがこの製品を使うのか?」
グロースハックを探す
グロースハックでは、まずは製品がマーケティングに値すると確信できるまでテストを繰り返す。素晴らしい製品だと確信を持てたら、成長エンジンを始動させるビッグバンを追い求める。最初のユーザーを獲得する方法はたくさんある。
・潜在ユーザーが訪問しそうなウェブサイトにメールする
・ハッカーニュース、クオラ、レディットなどに投稿する
・話題になっているトピックについて記事をブログに掲載し、読者を製品に誘導する
・クラウドファンディングでプロジェクトを立ち上げ、潜在ユーザーに特典を与える
過去の離れ技に以下の事例がある。
・招待性にしてプレミアム感を醸し出す
・製品を使えるサービスを1つに絞り、そのサービスの成長に便乗する
・クールなイベントを開催する
・影響力のあるアドバイザーや投資家を引き込み、支持者や名声を利用する
重要なのは、何か目新しくて刺激的な方法を見つけ、そのエネルギーを製品の起爆剤として活用しなければならないという事だ。
クチコミは設計する
グロースハッカーのアプローチにクチコミの拡散は欠かせない。彼らはクチコミを成り行き任せにはしない。製品の中にクチコミを拡散したくなる理由と、拡散するための手段を仕込む。顧客がエバンジェリストになりたくなるようなインセンティブとプラットフォームを提供しなければならない。使える分析ツールをフル活用し、最大限の結果が得られるまで改善しまくるのだ。