シリコンバレーで企業を急成長させるグロースハッカーと呼ばれる人たちの考え方を紹介しています。彼らは広告にほとんどお金をかけずに、短期間で数千万、数億人のユーザーを獲得する。これからのマーケティングについて考えさせる1冊。
■グロースハッカーとは
グロースハッカーの仕事は、無から何かを作り出し、それを非常に短期間で拡大させ、会社を急成長させる事である。グロースハッカーは、伝統的なマーケティング戦略を放棄し、検証・追跡・測定が可能なものだけを用いる。従来よりも科学的で測定可能な方法で「誰」と「どこ」に集中し、これまでのマーケティングがブランドとインプレッションに基づいていたのに対し、測定とROIによって立つ。
彼らの武器は、CMや宣伝や資金ではなく、電子メール、PPC(ペイパークリック)、ブログ、プラットフォームAPIだ。古い世代のマーケターが「ブランディング」や「マインドシェア」などの漠然としたものを追い回している間、グロースハッカーはひたすらユーザーと成長とを追跡する。そして、戦略が当たれば、ユーザーがユーザーを引き込む連鎖反応が生まれる。そして、新興企業のグロースハッカーたちは、製品の立ち上げにほとんど資金を使わない。
ホットメールもエアビーアンドビーもグルーポンもスポティファイも、かつては絶対に「マーケティング」とは見なされなかった戦略を使い、それがビジネスの成長を促進する強力なマーケティングとなった。ホットメールはユーザーのメールの文末に短いテキストを自動挿入する事で、メールを新規ユーザーへの宣伝ツールにした。
エアビーアンドビーの場合は、クレイグリストとの統合だ。宿泊施設提供者がクレイグリストにもリスティングを投稿できるようにした事が起爆剤になった。グルーポンの場合は、友達にクーポンを紹介する事でユーザーが得をするというシステムだ。スポティファイは、フェイスブックとの統合で無料の「広告」を実現した。
こうした戦略で重要なのは、そこに共通するマインドセットだ。グロースハックのプロセスを踏襲し、マーケティングを製品・サービスの構築に結合させている。立ち上げ段階でアーリーアダプターを巻き込み、製品あるいはサービスにクチコミを誘発する要素を埋め込み、データを分析して最適化を繰り返した。
グロースハックは基本的に、失敗のコストを削減し、新しい事を試す自由を与えてくれる。マーケティングはこれまでより安価で、簡単で、拡張可能なものになる。
著者 ライアン・ホリデイ
メディア戦略家 19歳で大学を中退した後、多数のベストセラー作家、企業、人気ミュージシャンのアドバイザーを務める。現在はアメリカン・アパレルのマーケティングディレクター。
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
TOPPOINT |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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イントロダクション | p.5 | 11分 | |
ステップ1 まずは人が欲しがるものを作れ | p.26 | 7分 | |
ステップ2 自分なりのグロースハックを探して | p.40 | 8分 | |
ステップ3 クチコミを巻き起こせ | p.56 | 7分 | |
ステップ4 つかんだユーザーを手放すな | p.70 | 6分 | |
最後に 私自身のグロースハックー学びから実践へ | p.82 | 8分 |
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