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2014/01/20更新

ウォートン・スクール ゲーミフィケーション集中講義

164分

3P

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ゲーミフィケーションが妥当かを問う

ゲーミフィケーションは、楽しさを巧みに用いて現実世界の目標に役立てていくプロセスである。しかし、ゲーミフィケーションはすべてのビジネス課題の解決策ではない。対処したい課題についてゲーミフィケーションが妥当かどうか、次の4つの基本的な問いを考える必要がある。

①モチベーション:どの部分で行動を促せば価値を引き出せるか
②意味のある選択肢:ターゲットとするアクティビティは十分に興味深いか
③構造:一定のアルゴリズムで望ましい行動をモデル化できるか
④対立の可能性:モチベーションを引き出す既存の仕組みとの対立を避けられるか

理想的なゲーミフィケーションとは、モチベーションにつながるような興味深い課題を与え、ルールを簡単にコード化でき、なおかつ既存の報酬制度を補強するようなプロセスである。

なぜゲームが有効なのか

ゲーミフィケーションは、強力な結果を生み出すために3つの内発的動機づけを用いる。

①自律性:有意義で自分の価値観に合った事をしたい
②コンピテンス・熟達:外部環境にうまく対処する
③関連性:家族、友人、他の人々と交流したいという、社会的なつながり欲求

レベルやポイントを貯める行為は、コンピテンスや熟達の目印になる。プレーヤーは進歩するにつれて選択肢や経験の幅が広がり、自律性あるいは行為主体性への欲求が膨らんでいく。フェイスブックでの情報共有や友人に見せるバッジなどのソーシャルインタラクションは、関連性に対するニーズに応えている。

ただ、ゲーム要素やゲーミフィケーションを使った仕組みが、モチベーションを引き起こす方法を単純化しすぎてはいけない。報酬は、人々が本当に望むものの代用になるかもしれないが、内発的動機づけを奪う事にもなり得る。

お金を払って何かをやってもらう事は、それが本質的に楽しくない、価値がない事を意味する。報酬をもらうために最低限必要な事をする程度の価値しかない。そして、人々はやがて報酬を当然のものと思い始める。予想できる報酬はある種の埋没便益となり、受け取っても喜びは徐々に小さくなる。但し、外発的動機づけは、退屈な活動に対してはプラスの影響が出る事が明らかになっている。

ゲーミフィケーションを使った仕組みによるフィードバックは、効果的なモチベーションの要となり得る。成功するフィードバックには3つの教訓がある。

①予期しない情報のフィードバックは、自律性と自分で決めて行う内発的動機付けを高める
②ユーザーは自分の成績を知りたがる
③ユーザーは与えられた基準に沿って自分の行動を変える