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2014/01/30更新

IT幸福論

176分

5P

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情報通信革命の過去と未来

NTTデータ社長が、IT革命の基礎的な話と、これからの技術トレンドについて語った1冊。大きな時代の流れの中で、どのように情報通信革命が進化し、これからどのような方向に発展するのかを大局的に紹介しています。


■情報通信革命が起きている
コンピュータの頭脳であるCPU、記憶装置であるストレージ、それにデータ通信を行うためのネットワーク。これらの情報通信技術の三大要素が並行して急速な進化を遂げてきた。これこそが、現在の情報通信革命を起こす根源的な要因である。CPUが情報を素早く処理し、ストレージが大量の情報を記憶し、ネットワークが情報を高速に送受信する。

ITは確実に進化し、社会に浸透している。しかし、情報通信技術の進化は大変に早い。まだ社会に浸透していなかったような技術も、一瞬の内に顕在化してしまう。技術が顕在化しようとした時にビジネスモデルを考え始めては遅い。だから、技術変化を捉えていかにビジネスに役立てるかを常に考えておく必要がある。

超短要約

世界では、情報通信革命という革命が起きている。我々は今、情報通信革命の真っ只中にいるという時代認識を持たなければ、個人も企業も国もこれから進むべき道を間違えてしまうだろう。

■ビッグデータの活用
情報通信技術が進化した事で、情報をデジタルで扱うデータの量は、年々増大の一途をたどっている。2005年に世界中で生成または複製された情報量は、0.1兆GBという量だった。これが2011年には1.8兆ZBと、6年で18倍になった。2020年に世界で扱われる情報量は35ZBに達するとも言われている。このような情報爆発の背景には、急速なデジタル化への移行がある。手書きや印刷物などのアナログで扱われていたデータが減り、デジタルデータへと移行しているのだ。特に多くのデータ量を必要とする画像や映像のデジタル化が起きた。このような膨大なデジタル情報の総体が、ビッグデータと言われるものである。

ビッグデータの中でも、注目されているものは次の2つである。

①ライフログデータ
我々が生活の中でとっている行動や選択などをデジタルで記録したデータの事を指す。例えば、Suicaや電子マネー、ツイッターのつぶやきなどのデジタル履歴情報がこれにあたる。

②センシングデータ
世の中に大量に散在しているセンサーが出力するデータの事を指す。例えば、食品の流通では、商品に温度センサーを内蔵したRFIDを付ける事で、無線を使って温度や湿度などのデータを測定する事ができる。

ビッグデータが注目されているのも、情報通信技術の三大要素の進化が大いに関係してくる。高速のネットワークで巨大なデータを集める事ができる。大容量のストレージで巨大なデータを保存する事ができる。高速のCPUで巨大なデータを処理する事ができる。そのような条件が揃った今、巨大なデータを分析し、そこから傾向を見出したり、将来の状況を予測したりする事ができるようになってきたのだ。

ビッグデータの活用はすでに現実のものとなっている。NTTデータが構築した事例では、グルメ情報サイトにアクセスする会員の閲覧履歴や属性情報から、その会員本人にふさわしいグルメ情報を提供する事で、クリック率・購入率を1.6倍増にしたというものがある。

著者 岩本 敏男

1973年生まれ。NTTデータ代表取締役社長 1976年日本電信電話公社入社。中央省庁システム、日本銀行、東京証券取引所など、社会インフラとなるビッグプロジェクトをシステムエンジニア、プロジェクトマネージャーとして数多く手掛ける。 2004年NTTデータ取締役決済ソリューション事業本部長 兼金融ビジネス副事業本部長、2005年執行役員 金融ビジネス事業本部長、2007年取締役常務執行役員 金融ビジネス事業本部長、2009年代表取締役副社長執行役員、2012年より現職。

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帯
WBSメインキャスター 小谷 真生子

章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
はじめに p.1 3分
第1章 ITの力が社会を変える p.13 18分
第2章 革命をもたらす技術は進化を続ける p.45 39分
第3章 未来を予見する力が競争優位をもたらす p.113 25分
第4章 IT生産技術の革新がもたらす恩恵 p.157 31分
終章 経営者とITの関わり方を考える p.211 17分

この本に影響を与えている書籍(参考文献、引用等から)

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