クラウドソーシングサイト国内最大手ランサーズの代表が、クラウドソーシングとは何かを解説。これからは個人でもインターネットを通じて、様々な仕事を直接請負うことができると、新しい働き方を提唱しています。
■1つの職業では生活できない時代がきた
世の中の企業をとりまく状況は悪くなる一方で、働く人達の境遇も厳しくなっている。2013年4月の大学新卒者55万9030人の内、就職したのは35万7285人。就職率は63.9%という事になる。4割近くが就職しない時代になった。その人達の多くが、アルバイトや非正規社員など不安定な身分で働いている。
2013年7月、就業構造基本調査では、非正規社員として働いている人の数が初めて2000万人を突破。この20年で2倍に増え、働く人の4割に迫っている。特に働く女性の6割は非正規社員で占められている。
さらに事業の寿命も短くなっている。私達の親世代までは、いったん入社したら、40年間ずっと同じ会社で勤めあげる終身雇用が当然だったのに、どんなに大企業でも、10年後まで存続するかどうかの保証は何もない時代になった。結果、スキルの短命化が起こっている。
クラウドソーシングは最初の出会いから交渉、業務指示を経て成果物が完成し、支払いと品質に対する評価が確定するまで、すべてインターネットで完結するという点において革新性がある。
この仕組みが意味するところは発注者側にしても、受注者側にしても、成果物さえちゃんと上がってきて支払いが間違いなくなされるなら、相手がどのような背景の人でどこにいて何をしているのか、全く気にする必要がない事である。結果として個人でも会社員でも、未経験の素人でも学生でも主婦であっても、成果物の品質と価格が要求水準を満たしていれば、何の問題もない仕事環境が生まれた。さらに相手が地球の裏側であろうが、国籍がどこであろうが、仕事に全く支障がなくなった。この事により仕事の依頼が一気にグローバル化し、極めて大きな可能性が広がる事になった。
著者 秋好陽介
1981年生まれ。ランサーズ株式会社代表取締役社長 大学時代、インターネット関連のベンチャービジネスを起こす。2005年にニフティに入社。複数のインターネットサービスの企画/開発を担当。 仕事の受託者・発注者、両方の立場を経験したことから、個人と法人のマッチングサービスを思い立ち、2008年4月に株式会社リート(現・ランサーズ株式会社)を創業。同年12月、インターネットを通した個人と法人の自由な仕事のやりとりを目指すクラウドソーシングサービス「Lancers(ランサーズ)」の提供を開始する。
帯 ブロガー ちきりん |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに | p.2 | 3分 | |
序章 クラウドソーシング革命は、もうはじまっている | p.15 | 13分 | |
第1章 クラウドソーシングの大きな可能性 | p.41 | 17分 | |
第2章 クラウドソーシングが実現する新しい個人の働き方 | p.75 | 24分 | |
第3章 クラウドソーシングで変わる未来のビジネス | p.123 | 22分 | |
第4章 「ランサーズハッカー」という新しい職業の登場 | p.167 | 19分 | |
おわりに | p.204 | 3分 |
インターネットを通じて、不特定多数の人に業務を委託するという新しい雇用形態。 企業などがクラウ…
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