ライフネット生命会長が、人を動かすマネジメントの原理原則をわかりやすく解説した1冊。上司はいかにして部下を動かし、育てるべきかが書かれています。
■細かく指導できるのは2〜3人まで
人間の能力はそれほど高くない。どれほど優秀な上司でも「1つ1つ細かく確認しよう」「積極的に手伝おう」とすると、目をかけられる部下の人数は「2〜3人」が限界である。上司がこの事をわかっていないと、チームは機能しない。
2〜3人以上の「目が届かない部下」に対しては、彼らから上がってくる報告をベースに仕事の判断をする事になる。だが「部下から上がってくる報告」にばかり頼っていると、正しい判断ができない。部下は「上司が気に入るような報告(ゴマすりやお世辞)」しかしなくなるからである。
多くの部下を持つなら、部下に権限を与えて、仕事を任せるしかない。自分1人の力だけでは、「社員100人分の成果」を上げる事はできない。100人分の成果を上げるには、100人の社員に仕事を任せるしかない。
■人を使うことがマネジメントの本質である
人は神様になれない以上、多少の優劣や凹凸はあっても、大差はない。何事かを成し遂げようと思っても、一人では何もできない。ビジネスを成長させるためには、他人の力を借りなければならない。だからこそ、任せる。だからこそ、補い合えるチームづくりが必要である。
「どんな部下も信頼して、仕事を任せる」ことこそ、リーダーの要諦である。「マネジメント」とは、突き詰めると「人を使うこと」である。今、どの方向に風が吹いているか、社会がどの方向に変化しているかを見極め、変化に適した人材に「任せる」事が、マネジメントの本質である。
■上司が部下を動かす3つの方法
上司が部下を動かす方法は、次の3つに集約される。
①上司を好きにさせる
②圧倒的な能力の違いを見せる
③必死に働いている姿を見せる
著者 出口 治明
1948年生まれ。ライフネット生命 代表取締役社長 大学卒業後、1972年に日本生命保険相互会社に入社。企画部や財務企画部にて経営企画を担当。生命保険協会の初代財務企画専門委員長として、金融制度改革・保険業法の改正に東奔西走する。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て、同社を退職。 2006年にネットライフ企画株式会社設立、代表取締役就任。2008年の生命保険業免許取得に伴い、ライフネット生命保険株式会社に社名を変更、同社代表取締役社長就任。
帯 ライフネット生命社長 岩瀬 大輔 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
はじめに | p.3 | 2分 | |
1章 上司になったら「任せるしくみ」をつくりなさい | p.17 | 25分 | |
2章 デキるリーダーは常に「いい任せ方」をしている | p.63 | 21分 | |
3章 「プレーイング・マネージャー」になってはいけない | p.101 | 30分 | |
4章 この上司力で「チームの実力」を一気に上げる | p.157 | 12分 | |
5章 「時間を殖やす」「成果を殖やす」人材マネジメント | p.179 | 11分 | |
おわりに | p.200 | 2分 |
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