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2013/12/31更新

ジェフ・ベゾス 果てなき野望―アマゾンを創った無敵の奇才経営者

488分

8P

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アマゾン創業者ジェフ・ベゾスの物語

アマゾン創業者ジェフ・ベゾスが起業してから、巨大企業に成長させるまでのストーリーを描いた作品。アマゾンではこれまで、どのような経営戦略がとられてきたのかが書かれています。


■アマゾンは金融工学の会社から生まれた
今、アマゾンは「地球最大の書店」や「ウェブ最大のスーパーストア」などと自称しているが、元々は、ニューヨーク高層ビル街のとある事務所で漂うアイデアに過ぎなかった。ウォールストリートの異端児で、高度な数学モデルを駆使するクオンツヘッジファンド、D・E・ショーの事務所だ。

1994年の始め頃、インターネットの活用について、ベゾスとショーらの検討から、様々な事業計画が生まれるようになった。一つは広告を収益源とする無料電子メール、オンライン証券、そしてエブリシング・ストアと名付けたものだ。基本的な考え方は「インターネット企業がメーカーと消費者をつなぎ、世界に向けてあらゆる商品を販売する」というもので、アイデア自体はシンプルだ。

すぐにエブリシング・ストアを実現するのは無理だが、その肝となる点「無限の品ぞろえ」を1種類の製品について実現する事なら可能だとベゾスは考えた。だが、D・E・ショーの新事業として立ち上げたのでは自分の会社にならない。ベゾスは退職してオンライン書店を始める準備に入った。

超短要約

■アマゾンの中核価値
狂乱の成長の大混乱の中でも、ベゾスは会社文化の浸透に手を尽くした。どのような価値をアマゾンは重視するのかを検討した結果、中核をなす価値として会議室のホワイトボードに書き出されたのは次の5つだった。

・顧客最優先
・倹約
・行動重視
・オーナーシップ
・高い採用基準

後にイノベーションが追加され、アマゾンの中核価値は6つとなる。この中核価値は、事務所や物流センターの壁に貼るほか、様々な形で社内浸透が図られた。高い採用基準の維持については、マイクロソフトを参考にした。経験豊富な幹部社員を面接責任者とする事により採用基準のぶれを防いでいるのだ。

ウォルマート創業者、ウォルトンが提唱した行動重視を社内に定着させるため、ベゾスは、「とにかくやってみよう」賞を設けた。自分の担当ではない分野で自発的に動き、特筆すべき事をした社員を表彰するのだ。

■我々はアンストアだ
アマゾンはあらゆる意味でどんどん大きく、複雑な会社になっていった。社員数は1998年末に2100人、2004年末には9000人と膨らむ。ドット・コム・バブル崩壊の余波が収まると、スポーツ用品、アパレル、宝飾品などカテゴリーも増やせば、日本や中国など新しい国にも進出した。

2003年、ベゾスは、アマゾンのコンセプトを表す新しい言葉を思い付く。アマゾンは非商店だというのだ。非商品であるとは、小売業の常識に縛られる必要がない事を意味する。アマゾンは棚が無限にある上、顧客1人ひとりに合わせてパーソナライズされている。肯定的なレビューだけでなく、否定的なレビューも書けるし、中古品を新品に並べて販売し、顧客が十分な情報をもとに選べるようにしている。ベゾスにとってアマゾンとは、エブリデーロープライスと素晴らしい顧客サービスが両立する場所なのだ。

■キンドル誕生
2004年、デジタル音楽でアップルの独走が続く中、アマゾンでは事業の見直しが進められた。この年、書籍と音楽、映画で売上の74%が占められていた。アップルの成功から推測されるように、これらのフォーマットがデジタルへ移行していくのだとすれば、急いで対策を講じないと手遅れになってしまう。

ベゾスは、新たなデジタル時代に書店としてアマゾンが栄えていくためには、自社で電子書籍事業を展開しなければならないという結論に達する。その頃、ベゾスら経営幹部は、アマゾンの戦略に大きな影響を与える本を読み、その内容を熱心に検討していた。『イノベーションのジレンマ』である。この本に感銘を受けたベゾスは、書籍部門からデジタル事業の責任者に任命したケッセルにこう言った。「君の仕事は、今までしてきた事業をぶちのめす事だ。物理的な本を売る人間、全員から職を奪うくらいのつもりで取り組んで欲しい」

著者 ブラッド・ストーン

ブルームバーグ・ビジネスウィーク誌 シニアライター ニューズウィーク誌、ニューヨーク・タイムズ紙などで15年にわたり、アマゾンやシリコンバレー企業について報道してきた。

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章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
プロローグ p.5 12分
第1章 アマゾンは金融工学の会社から生まれた p.22 14分
第2章 冷たい目を持つ聡明な男 p.40 39分
第3章 ベゾスの白昼夢と社内の混乱 p.90 40分
第4章 宿敵アナリストに打ち勝つ p.142 39分
第5章 ロケット少年 p.194 23分
第6章 混乱続きの物流システム p.224 36分
第7章 テクノロジー企業であって小売企業ではない p.270 34分
第8章 キンドル誕生 p.314 36分
第9章 グーグル、アップルと並ぶ会社になる p.362 26分
第10章 ご都合主義 p.396 36分
第11章 疑問符の王国 p.442 23分

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