世界の名門大学は、思想や哲学を通じて「考える力」を鍛える。
国家、自由、経済などのテーマをもとに、物事の考え方を教える1冊。
■知識や経験に対して、どう感じ、どう思考するかが大切
グローバル社会に通用する人材となるためには、確固たる価値観を持っていたり、本物の教養を身につけている事の方が、語学ができる以上に重要である。日本人に最も欠けていて、最も必要なのは「本質的な物事に関して、しっかりと思考し、自分なりの考えを持つこと」。そして、その「ブレない価値観をきちんと主張し、コミュニケーションを図れること」である。
フランスの政治家エドゥアール・エリオは、教養や哲学について「それはすべてを忘れた時に残るものであり、すべてを習った後にでも、なお足りないもの」だと言っている。いかに豊富な知識を得ても、それを忘れてしまう事はある。しかし、すべてを忘れてしまった後にでも、心に残っている信条や価値観、「あなたという人物を形作っている軸」が必ずある。それが「教養」である。
裏を返せば、知識や経験を自らの血肉とするには、それを十分に咀嚼し、思考し、取捨選択をし、再構成する必要があるという事である。知識や経験に対して、どう感じ、どう思考していくのかという作業が重要である。それを繰り返していく事で自分の信条や価値観が形成され、人生を支える武器となっていく。
あなたが「正しい」と思っている事は、揺るぎない真理として「正しい」のではなく、「あなたが正しいと思っている」に過ぎない。その真理と認識のギャップは、個人でも集団でも起こっている。
まずはあなたの認識を疑ってみること。「自分はどんな認識の仕方をするのか」を考え、「他人は全く違う認識をしているかもしれない」という事実を知っておく事は、とても価値がある。
著者 福原 正大
Institution for a Global Society(IGS)株式会社代表取締役 大学卒業後、1992年に東京銀行に入行。INSEADにてMBAを取得。グランゼコールHECで国際金融の修士号を最優秀で取得。筑波大学博士(経営学)取得。 2000年、世界最大の資産運用会社バークレーズ・グローバル・インベスターズに転職。欧米のトップスクール教授陣で構成されるグローバルチームで為替の研究と戦略を構築。35歳にして最年少マネージングダイレクター、その後日本法人取締役に就任。 2010年、世界のトップスクールを目指す学生対象のグローバルリーダー育成スクールIGSを設立。
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章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
はじめに 日本のエリートに欠けているものとは? | p.1 | 5分 | |
第1章 「認識」を磨く | p.21 | 22分 | |
第2章 「国家」を理解する | p.61 | 28分 | |
第3章 「自由」をつかむ | p.113 | 27分 | |
第4章 「経済」を知る | p.163 | 29分 | |
第5章 「科学技術」「自然」観を持つ | p.217 | 24分 | |
おわりに グローバルリーダーに必要な「教養」 | p.261 | 2分 |
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