日本人でありながら、アメリカで起業し成功した著者が、今後日本人がグローバルに活躍するために必要なこととは何かを語った本。世界標準の考え方を紹介しています。
■世界標準の思考
世界標準の思考とは、激しい競争世界で生き残っていくために必要な、世界に通用する考え方の事である。そのために、5つの力を身につける必要がある。
①行動する力
まずは行動し、失敗をもチャンスと捉える能力
②個性を活かす力
自分の個性を理解し、強みを活かす能力
③自分の考えをつくり、相手に伝える力
主張する内容を豊かにし、ハッキリと伝える能力
④違いを知る力
多様性を受け入れ、1つの視点にとらわれず、多角的に問題に取り組む能力
⑤応用する力
マニュアルに頼らずに、その場、その場で最適な行動を選ぶ能力
バブル経済が崩壊してから、日本人は「今あるものをいかに目減りさせずに、大事にするか」だけを考え続けて来た。守りから攻めに転じてチャンスをモノにするには、失敗を恐れずに行動する事が不可欠である。
「Absolutely, Yes!」(はい。もちろん、できます!)
何の解決の見通しもないのに、常にそう答えてきた。目の前の小さなチャンスをモノにしようと頑張る事で、以前よりも大きなチャンスが訪れる。そのチャンスをモノにする事で、結果的により大きなチャンスを手にできるからである。
目の前にあるチャンスをつかむには、子供の時から失敗を恐れずにチャレンジするマインドを育てていく事が不可欠である。そのためには、たとえ失敗してもチャレンジを評価する環境づくりが重要となる。
日本の教育は「失敗をするな」「成功を目指せ」と教えるだけで、2つの要素がどう結びつくのかという肝心な要素が欠落している。失敗から学んでいく過程や、失敗の活かし方を知らないまま大人になってしまうと、「失敗するのは怖い」という恐怖感しか身につかない。子供の時から、失敗を体験させて「どうしてこうなったのだと思う?」と考えさせる機会をもっと作るべきである。
著者 齋藤ウィリアム浩幸
1971年生まれ。インテカー代表取締役 起業家 ロサンゼルス生まれの日系二世。16歳でカリフォルニア大学リバーサイド校に合格。同大学ロサンゼルス校(UCLA)医学部卒業。 高校時代にI/Oソフトウェアを設立。テレビ会議システムなどで失敗したあと、指紋認証など生体認証暗号システムの開発で成功。2004年、会社をマイクロソフトに売却。 日本に拠点を移し、ベンチャー支援のインテカーを設立。ドバイなど世界3カ所にオフィスをもち、有望なスタートアップ企業14社を育成している。 1998年にアーンスト・ヤング主催のアントレプレナー・オブ・ザ・イヤー米国大会でヤング起業家賞を受賞。2012年に国会の東京電力福島原子力発電所事故調査委員会の最高技術責任者と国家戦略会議フロンティア分科会「繁栄のフロンティア」分科会委員を務める。
帯 昭和女子大学学長 坂東 真理子 |
帯2 チームラボ代表 猪子 寿之 |
WEDGE |
私をリーダーに導いた250冊 自分を変える読書 日本プロサッカーリーグ チェアマン 村井 満 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに | p.1 | 6分 | |
プロローグ 「失敗=経験」と捉えるアメリカで、オタクの私がチャンスを手に入れるまで | p.19 | 26分 | |
第1章 行動する力 | p.71 | 15分 | |
第2章 個性を活かす力 | p.101 | 12分 | |
第3章 自分の考えをつくり、相手に伝える力 | p.125 | 15分 | |
第4章 違いを活かす力 | p.155 | 17分 | |
第5章 応用する力 | p.189 | 11分 | |
エピローグ 未来を切り拓くために知っておくべきこと | p.211 | 11分 | |
おわりに | p.233 | 3分 |