『7つの習慣』のスティーブン・コヴィー博士の考え方をもとに、生産性を高めるために大切な考え方を紹介してます。目先の効率性ではなく、効果性に目を向ける事の重要性を説いています。
■周囲との協力関係が大切
タイム・マネジメントの観点から見た場合、考えなければならないのは、「時間当たりの労働生産性」である。それは、生産性は「量×質÷時間」という関数だからである。いかに時間を減らすのかが、生産性向上の大きなポイントになる。
生産性というと、1人でバリバリと仕事をこなすイメージが強い。しかし、仕事というものは決して1人で行うものではなく、うまくいかない原因を周囲に押し付けていては良い結果を得る事はできない。これまでの調査結果から、自身の時間管理を適切に行う事と、周囲との理想的な協力関係を持つ事が、より良い成果を生み出す上で連動している事は明らかである。つまり、生産性を上げるには、以下の3点が欠かせない。
①時間管理という計画性
②主体性や意欲
③周囲との協力
■Win-Winにならなければ、真の効果性は生まれない
メンバーと張り合って優位に立ったり、お客様に対して一時的に有利な取引を成立させたりしても、高い効果を継続する事はできない。協力のリーダーシップは、双方の独自の才能、見識、多様な視野のすべてを、最も困難な問題の解決に使う事が不可欠である。
人は自分のWinが明確になれば、そのWinを達成したいという意欲によって、自分自身を管理するようになる。従って、チームメンバー自らがリーダーシップを発揮するようになるには、個々が「こうありたい」というビジョンや重要な目標を明確に持てばいい事になる。そうなるように進めるのは、リーダーの務めである。そして、お互いのWinを共有したら、それを達成するための方法や手段については、チームメンバーに任せる事である。
■適切なフィードバックが大切である
より高い生産性をもたらすためには、フィードバックが必要になる。適切なフィードバックを行う上でのポイントは次の4点。
①Win-Winを考える
②相手への配慮を言葉で示す
③具体的な事実を述べる
④共感による傾聴を行う
■第3の案を探す
二者択一という間違ったパラダイムを持ったままでは、お互いがWin-Winとなるような「第3の案」は生まれない。私達が生産性を向上するためには、この第3の案を求める事が必要である。
二者択一思考の人は、基本的に他者を1人の人間として見ようとする視点に欠けている。交渉の際も、その人の意見や考え方にしか興味がない。こうした傾向の人が集まっても、1+1は0以下にしかならない。利害関係はひとまずおいて、相手の立場に立ち、その人が抱える状況を理解した上で、その人の意見について考えてみれば、同意見になる事はなくても、その意図や意味を理解する事ができる。
著者 竹村 富士徳
フランクリン・コヴィー・ジャパン 取締役副社長 1995年、旧フランクリン・クエスト社の日本法人に入社。 経営企画、経理全般、人事、プランナー関連商品の開発、販売、物流など多岐に渡って担当する。同社の売上げアップおよび利益改善に大きく貢献し、1997年同社副社長に就任。 その翌年、コヴィー・リーダーシップ・センターとの合併に伴い、 フランクリン・コヴィー・ジャパンにて28歳の最年少で取締役に就任。 米国本社との折衝はじめ、日本国内における同社事業の再構築の指揮を執り、2000年取締役副社長に就任。2001年までに日本法人での利益率を大幅に改善し、インターナショナル部門でトップレベルの業績達成に貢献した。 特にタイム・マネジメントの分野においては、セミナーの講師としてだけではなく、商品のコンセプト作りからコンテンツ開発まで深く関わる。
帯 慶應義塾大学講師 竹田 恒泰 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
プロローグ | p.11 | 11分 | |
第1章 タイム・マネジメントと生産性 | p.33 | 30分 | |
第2章 Win‐Winタイム・マネジメント | p.93 | 29分 | |
第3章 Win‐Winタイム・マネジメントのための実行計画 | p.151 | 52分 |
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