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2014/01/05更新

仕事に必要なことはすべて映画で学べる

  • 押井 守
  • 発刊:2013年10月
  • 総ページ数:296P

208分

3P

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飽きないものを見つけよ

重要なのは、ハリウッドでも日本でもいいから自分の映画を撮れること。監督というのは結局、お呼びがかかるのを待っているだけである。「これやってみない?」と言われた時に「やる」と言う、それだけである。その時に「その代わり好きなものを撮っちゃうからね」というワガママが通るかどうかが重要である。

やりたい事をやるというのは基本的に正しい。ただ、その「やりたい事の中身」、すなわちその人にとっての勝利条件が重要である。映画監督の場合なら、それは女優との結婚なのか、億単位の貯金なのか、デカい家に住みたいのか、とにかくたくさん撮りたいだけなのか。

実際にそうやって考えると、人生の勝利条件どころか自分のやりたい事が分からない人が多い。例えば、山ほどサプリメントを飲み、とりあえず健康でいたいという人が見受けられるが、そういう人は「生きる事にしかテーマを持てないからそうなる」のである。何となく、今日と同じように明日もやれればそれでいい、となってしまう。今の世の中、人生のテーマは生きる事にしかないのか。かつては誇りとか、あるいはもっとくだらなく見えるものとか、いろんなものがあったはずである。「とりあえず死なない」というのは、目標設定が低すぎる。そういう人は、何を達成したら悔いなく人生を終われるかを考えればいい。

今の教育だと可能性だけは誰でもあって、みんな成功してリッチになれるように見えてしまう。一方で才能の世界というのは、努力とか研鑽を積み上げない限り自己実現できないし、それがどんなにしんどいかというのも分かっている。「20年30年人生を棒に振る覚悟でそれをできますか?」となると、みんな臆病になる。それで中途半端なところで何となく様子を見て、どんどん歳を食っていく。

勝利条件のハードルを下げようが上げようが、どっちにしたって楽な事はない。結局のところ「好きな事をやれ」という意味は、「飽きない事をやればいい」という事である。才能を見つけようと思うから間違う。

未来が不確定だからこそ、人間は生きられる

人間はいずれ死ぬ事だけははっきりしているから、より長く生きたいと思っている。その「より長く、より安全に生きたい」と思っている事こそが幻想である。確かなのは「今生きている」という事と、「過去に生きてきた」という事だけ。だから、未来なんかどうだっていい。今まで自分が生きてきた過程と、今が一番大事である。

過去は変えられる。物理的現実は変えられないが、人間は物理的な現実なんて生きていない。過去はねつ造すべきものであって、自分がこうありたいと思ったものが自分の過去になる。今というのは過去の上にしかないから、今を充実させるために「現在」にある種の自由を獲得したいからこそ、自分の過去をねつ造する。