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2013/11/29更新

ウラからのぞけばオモテが見える―佐藤オオキ/nendo・10の思考法と行動術―

122分

3P

  • 古典的
  • トレンドの
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nendoの思考法

①「面」で考える
ある商品をデザインする事で利益をもたらす事は大切だが、短期的な利益以上に重要なのが、企業や商品のブランド価値を高めたり、同じ企業の別の商品の売上が伸びたり、社内の意識改革や業界全体が活性化されること。そのためには企業の総合的な価値を広く伝えていく必要がある。そこで「点」ではなく「面」的に考える事で、企業の特性、ブランドの力を強く発していく事ができる。商品の周囲の環境や手に取るカタログなど、複数の要素を組み合わせる事で「面」的なメッセージが形成され、伝わりやすくなる。

②一歩「下がる」
自分たちの力で圧倒するのではなく、クライアントの能力や商品力を最大限に生かすために一歩下がる。製品の特色を抽出しながら整えていくチューニングを行う事で、自分たちにこのような隠れた魅力があったのか、とクライアントに気付いてもらえる。デザインにおけるチューニングが「一歩下がって」自分自身のブランド価値を見つめる作業である。

③「違和感」を生む
nendoが考えるデザインとは、日常の中の小さな気付きであり、小さな違和感のようなものをできるだけ崩す事なくすくい上げていき、人と共有すること。日常生活の中に小さな非日常がちりばめられている状況が本当の意味での豊かさである。そのため、日常の活動範囲の中で、考え続けている事が、大切なデザインプロセスとなっている。
「毎日のルーティンワークの中で感じる違和感」とは、単一では何とも感じない要素が、連続する事で知覚しやすくなる事である。毎日同じ店のソバを食べていると、自然と打ち手の違いが分かるようになる。心掛ける事は3つ。

・退屈なルーティンワークを楽しむ
・頑張ってアイデアを探さない、アンテナをはらない
・物事に焦点を絞らない

④均衡を「崩す」
潜在的な問題を顕在化させるために「均衡を崩す」事がある。それは凝り固まった既成概念かもしれない。健全な均衡とは、必要に応じて変化しうる有機的な環境のこと。そのためには現状を一度流動化させる事で、長らく潜在化していた問題をあぶり出す必要がある。予算配分の均衡を大きく崩したり、脇役的な存在をいきなり主役に起用してみたりする。

⑤見せたいものは「隠す」
一部の情報を隠す事で興味を喚起させ、人々が対象に積極的にかかわり、喜びとともに空間や製品を体験してもらえるキッカケを作る事ができる。

⑥「ゆるめ」につくる
nendoは「完成形を限定しないモノ作り」を大切にする。その都度状況を把握し、クライアントの立場を理解しながら、「手を加えすぎないデザイン」を目指す。人々がかかわっていく時間を残し、「変わっていく過程」を内包したデザインを提案する。完成度の高いプロダクトは時に使い手に隙を与えず、作り手の押し付けのようになってしまう。