お土産菓子のコンセプト
北海道の観光土産市場は、強力な競合商品が多数存在する日本一の激戦区といっていい。そこで市場参入前に、商品の開発コンセプトを明確にした。
①「従来のお土産菓子」のような商品にしない
北海道のお土産菓子は、全国的に見てもレベルが高い。だから、お土産品をつくるのに「お土産品」として絶対につくってはいけない。とにかくクオリティの高い商品をつくることで認知される必要がある。
②地元の人が買って食べたくなる「自己消費型の商品」をつくる
お土産菓子といえば「自分は食べないけれど、人にプレゼントするもの」という位置づけだ。しかし、一過性に終わらず売れ続けているお土産菓子は「自分が食べたい」という「自己消費型の商品」である。
③「地元ならではの素材」を活かす商品づくり
地元の人が買って食べたくなる商品をつくるためには、基本的に「地元ならではの食材」を使用する。その土地にある強い食材を活かし切ること。
もうちょっとだけを実現する
YOSHIMIのお土産菓子の特徴を一言で表すと「もうちょっとだけ」がある商品だ。これを実現するには、様々なこだわりが必要になる。独特の味付けや製造工程など、徹底的にこだわってつくり込んでいく。初めて口にした瞬間、「これはおいしい」と満足してしまう商品はヒットする可能性は秘めているが、何年も売れ続けるかというと必ずしもそうではない。一口目で「ん? おいしいのはおいしいけど・・・もう1個食べてみようか」となる方が、むしろ売れ続ける可能性が高い。
「もうちょっとだけ」を実現する要素には、次の3つが挙げられる。どれか1つでも欠けると、売れ続ける商品にはならない。
①「サプライズ」があること
「すごいな、これは!」という「驚き」をお客様に与えられるか。YOSHIMIのお土産菓子は、まずネーミングで「なんだ、これは?」という驚きを与えることを意識している。
②「オリジナリティ」があること
オリジナリティとは、飲食店であれば、その店の看板メニューの味がとことん追求されたものであればいい。そのためには、「なんだ、これは? とんでもなくおいしい!」という100点以上の味である必要がある。
③「トレンド」があること
お土産菓子は、特に「ジャンル」と「味」が、今のトレンドに合っていないといけない。時流をつかみ、お客様のニーズを満たしている商品でなければ売れ続けることはない。時流を読むには、すでに存在している商品のジャンルの中から、よりおいしいものや、より受け入れられるものを選ぶことだ。
また売れ続ける商品をつくるためには、支持してくれるお客様はどんな人かを見極めることも重要だ。お土産菓子には、味のわかる世代である30〜50代をメインターゲットにするというルールがある。