消費税が上がる前後では、駆け込み需要と買い控えが起きる。販売において消費税アップの前後で気をつけるべき点を紹介しています。
■消費税アップはチャンス
消費税アップは売り手側にとってマイナスな事ばかりではない。まず、メリットの1つとして考えられるのが、消費税のアップによって確実に発生する「駆け込み需要」の存在である。消費税のアップは、値上げまでのタイムリミットが明確にされる事で、消費意欲を高める事に繋がる。マンションや自動車、宝飾品や贅沢品など、不景気ではほとんど動かなかった商品が、消費税アップ前に売れ出し、高額商品に関連する周辺の商品の消費も活発化する事が予想される。
消費税がアップされた後は、モノが売れなくなるのではと懸念する人が多いのも事実である。しかし、買い控えが発生して消費が悪化するのは一時的な事であり、想像している以上に景気に対する影響は少ないと考えられる。例えば、1997年に消費税率が3%から5%に引き上げられた時には、消費者物価への影響は1.5%程度しか起きなかったと言われている。
消費税のアップの前の駆け込み需要を短期的なプラスと捉えて、物価上昇によるメリットを中長期的なプラスと捉えれば、消費税のアップは大きなビジネスチャンスという事が理解できるはずである。
■駆け込み需要で売れるキャッチコピーの作り方
①不安系
消費税の駆け込み需要によって、在庫がなくなってしまう恐れがある事を、お客さんに事前に伝える。
ex.3月になると注文が殺到して、在庫がなくなってしまう可能性がある
②お得系
増税前の購入が、いかにお得感があるのかをお客さんに伝える。
ex.今、購入すれば3000円分のお得ですよ!
③期限系
消費税増税までの期限を伝えて、焦りを持たせる。
ex.消費税増税まで、あと10日です。お急ぎ下さい。
④お祭り系
消費税アップを1つのキャンペーンと捉えて、大々的に宣伝する。
ex.現状価格サヨナラキャンペーン開催中!
これらのキャッチコピーは、とにかく目立たせる事が重要である。お客さんの目につく派手な販促キャンペーンを展開して、「今、買わなくては損をする」という認識を強く持たせる事が大切である。
■「消費税還元」という言葉を使わずに売れる販促企画
①日にちを決めてセール販売
②周年イベント
③モニター企画
④訳あり企画(商品の傷もの、型遅れ商品など)
⑤限定企画(個数限定、日付限定)
⑥女性限定(レディースデー、女子会)
⑦社員割引企画
⑧コラボレーション企画
⑨朝市企画
⑩営業時間変更
⑪誕生日企画
⑫法人営業
⑬レンタル事業
⑭中古品の販売
⑮試飲会・試食会
⑯体験教室
著者 竹内 謙礼
1970年生まれ。有限会社いろは代表取締役 大企業、中小企業問わず、販促戦略立案新規事業アドバイスを行なう経営コンサルタント。大学卒業後、出版社に勤めた後に観光牧場に転職。企画広報担当を経て2004年に経営コンサルタントとして独立。 楽天市場、ビッダーズ等で多くのネットビジネスの受賞履歴あり。また、千葉文学賞等の小説、エッセイでも数々の受賞暦を持つ。 日経MJにおいて「竹内謙礼の商ビズNOW」を連載中。2008年度より、次年度の売れる販促企画を予測した「売れる販促企画・キャッチコピーカレンダー」を独自に製作販売し、好評を博している。その関係で、1年前より消費税率アップに関する情報を、豊富な人脈やデータを駆使して収集しており、現在は消費税増税をテーマにしたセミナーや勉強会を全国各地の商工会や企業で積極的に行っている。
週刊 ダイヤモンド 2013年 11/2号 [雑誌] 紀伊國屋書店和書仕入本部係長 水上 紗央里 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに | p.3 | 4分 | |
第1章 消費税アップは大きなビジネスチャンス | p.15 | 19分 | |
第2章 消費税の「駆け込み需要」を100%取り込む技術 | p.51 | 16分 | |
第3章 「1980円」の商品は「2036円」になっても売れるのか? | p.81 | 19分 | |
第4章 増税時に「○な売り方」「×な売り方」 | p.117 | 13分 | |
第5章 本当に恐ろしい「価格据え置き」と「駆け込み需要の煽りすぎ」 | p.141 | 8分 | |
第6章 「増税後」でも、がっちり売れ続ける方法 | p.155 | 15分 | |
第7章 軽減税率は「天国」か「地獄」か? | p.183 | 7分 | |
あとがき | p.196 | 2分 |