ドワンゴ創業者がビジネスで大事なこととは何か、その思考法を紹介。どのようにして「ニコニコ動画」が生まれたのか、人を惹き付けるコンテンツはどうすれば作れるのかといった内容が書かれています。
■ルールの確認と検証から始め、最適解を探す
コンピュータを使わないゲームでは「ルールそのものが変わるのが当たり前」という事がよく起こる。そして、ルールの一部が変わることでゲームそのものが変わり、勝者が変わるという体験をごく自然のものとして味わう事になる。ルールの変更によりゲームが変わるのは、現実のビジネスでも同じである。既存のルールにただ従っていたのでは、新規に参入した者は絶対に勝てないシステムになっている事がある。
しかし、そんな状況でも「ルールが変わるタイミング」「ルールを変えられる瞬間」をどこかで見つけられる事がある。ビジネスをする場合にしても、ゲームと同じように、勝つためにはまず「ルールの検証」から始めるのがいい。
時代が移り変わって環境が変化すれば、既存のルールや決まり事が最適解ではなくなっている事はよくある。そうであれば、そのルールに従っているのは合理的ではない。だからこそ、原理原則を見直した上で、ルールを再検討する姿勢が大切である。
■ルールを変える思考法
「ゲーマー」と呼ばれる人たちの中には、優秀な人材が多い。それは、ゲームに求められる能力、あるいはゲームを通して伸ばせる能力は、様々な分野において応用が利くものだからである。本気でゲームをやっている場合、攻略のために何時間、あるいは何日もかけて、いろんな角度から、どんな手を打つのが有効であるかを考え抜く時間を持つ事がある。そのようにして、「思考のフレームワーク」を鍛える訓練をした経験が、将来に対しても非常に役立つ事になる。
シュミレーションゲームなどをする事によって、多層的な思考の立て方ができるようになれば、現実社会の競争の中でも優位に立てる。今の世の中では、それができる人は本当に少ないので、圧倒的優位に立てるといってもいいかもしれない。
コンピューターを使わず、人間がルールを判断してプレイするゲームでは、プレイヤーが勝手にルールを変更するという事が起こる。ルールの変更によりゲームが変わるのは、現実のビジネスでも同じ。既存のルールにただ従っていたのでは、新規に参入した者は絶対に勝てないシステムになっている事がある。しかし、そんな状況でも「ルールが変わるタイミング」「ルールを変えられる瞬間」をどこかで見つけられる事がある。ビジネスをする場合にしても、ゲームと同じように、勝つためにはまず「ルールの検証」から始めるのがいい。
時代が移り変わって環境が変化すれば、既存のルールや決まり事が最適解ではなくなっている事はよくある。そうであれば、そのルールに従っているのは合理的ではない。だからこそ、原理原則を見直した上で、ルールを再検討する姿勢が大切である。
著者 川上量生
1968年生まれ。KADOKAWA・DWANGO代表取締役会長 ドワンゴ 代表取締役会長 大学卒業後、コンピューターの知識を生かしてソフトウエアの専門商社ソフトウェアジャパンに入社。同社倒産後の1997年、PC通信用の対戦ゲームのシステムを開発する会社としてドワンゴを設立。2000年に代表取締役会長に。2003年に東証マザーズ上場、翌年に東証1部に市場変更。 独自の発想で携帯ゲームや着メロなどのサービスを次々とヒットさせるほか、2006年には、子会社のニワンゴで「ニコニコ動画」を開始。その後も「ニコニコ超会議」や「ブロマガ」など、数々のイベントやサービスを生み出している。
週刊 東洋経済 2013年 11/9号 [雑誌] |
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
日経ビジネス Associe (アソシエ) 2013年 12月号 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに | p.3 | 4分 | |
第1章 いちばんリアルなゲームは「現実世界」で見つかる | p.19 | 19分 | |
第2章 ビジネスというゲームで大切なこと | p.55 | 18分 | |
第3章 人を惹きつけるコンテンツのつくり方 | p.89 | 17分 | |
第4章 マネジメントで大切なことは、ゲームが教えてくれた | p.121 | 10分 | |
第5章 特別鼎談―ゲームがうまい人間は頭がいいのか | p.139 | 17分 | |
第6章 ネットの発達は、人間をこう変えていく | p.171 | 13分 | |
第7章 「できるかもしれない」と思うことからすべては始まる | p.195 | 22分 |