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2013/11/20更新

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情報は整理しない

ニュース週刊誌の編集長の仕事も、テレビのコメンテーターの仕事も、あらゆるニュースについての記事の企画の方向性を定め、断片的な報道を補うコメントを発しなくてはならない。そのためには、常に全方位にアンテナを張っておくと共に、必要な情報をいつでも取り出せる状態にしておく事が欠かせない。普段最も意識している事は、情報を収集しない事と、情報を整理しない事である。情報は、探す事や取り出す事が目的ではない。いくつもの情報を組み合わせて、そこに意味を読み取る事が目的であり、それをうまくこなす事が「情報力」である。

情報を整理しないのは、整理すると、情報を組み合わせて意味を読み取るために必要なコンテクストが失われてしまうからである。情報を整理しないといのは、個々の情報をランダムなまま放置する事ではなく、1つ1つの情報と他の情報のつながりを意識して、クモの巣上のネットワークの中に個々の情報が存在していると考え、その状態で情報をとらえるという事である。

情報を読み解くために大事なのは、何よりもまず「全体像の中でみる」事である。そのためには、全体となるもののスケールを把握しておく必要がある。そこで「一番基本的な数字」をおおざっぱに頭に入れておく。日本や世界の政治・経済の動き、社会や国土の成り立ちに関する数字である。そして、情報を全体像でみるには、何か違った視点はないかと考える癖を日頃からつけておくといい。情報を時間軸や地理軸、学問の領域など「タテ軸」と「ヨコ軸」に置いてみる。

情報は疑う

情報に接する態度の基本は、客観的な事実に重きを置いていない情報はとりあえず「疑ってみる」こと。私達がなんとなく常識だと感じている事でも、別の人々や時代、場所では常識として通用しない場合がしばしばある。次に必要なのは、バイアスをチェックして、バイアスを修正した上で情報を理解する事である。情報のバイアスには、不安、予定調和、パターン化、同調圧力、二項対立などがある。

ストーリーで語る

情報はなるべくストーリーで発信するよう心掛けている。事実を「物語」として再構築して発信する事で、速報的なストレートニュースでは埋もれがちな、もっと長い時間軸や広い地理軸における座標を示す事ができるようになる。その方が情報の意味を読み取りやすく、全体像の中で理解しやすくなる。

米国版『Newsweek』のスタッフに聞くと、とにかく記事ではなくてストーリーなんだと、繰り返し言われた。だから、何よりもまず読んで面白くなければいけない。

発信する情報をストーリーにするために必要なのは、情報に含まれる要素(人物、組織、事例など)をできるだけ具体的で独立したものにする事である。抽象的な言葉は避けて、具体性があって聞き手がイメージしやすい表現を使う。