テレビのコメンテーターとしても活躍している『ニューズウィーク日本版』元編集長が、情報を発信するためのワザを紹介している1冊。
■コメントするということ
テレビのコメンテーターに、コメントのひな形のようなものはないし、スタジオの展開が台本どおりにいくこともない。番組の流れを動体視力でとらえつつ、キャスターが投げてくるボールを瞬間の状況に応じた角度で打ち返す。アスリート的な感覚が必要な作業である。「このことをこう言おう」と、型にはめた準備をして座っていては、とても対応できない。思いついたら喋る。あるいは、思いつきながら喋る。それがコメンテーターに求められている技術である。
思いつきで喋るという行為の前には、何かを思いつくというプロセスが存在する。何かを思いつくには、そのための材料が必要である。無から何かは生まれない。コメントは、準備してストックした材料の中から必要なものをピックアップして、瞬時に加工して視聴者に差し出す行為である。スタジオでコメントとして発する前に、材料となる情報を吟味する、選んで入手する、選り分ける、情報と情報をつなぎ合わせる、発信するポイントを絞り込む、伝わりやすいように形を整える、といった様々な段階を経ている。
コメントは、準備してストックした材料の中から必要なものをピックアップして、瞬時に加工して視聴者に差し出す行為である。スタジオでコメントとして発する前に、材料となる情報を吟味する、選んで入手する、選り分ける、情報と情報をつなぎ合わせる、発信するポイントを絞り込む、伝わりやすいように形を整える、といった様々な段階を経ている。
そうした段階で常に意識している事は、次の通り。
・情報は整理しない
・情報は全体像でみる
・情報はタテ軸とヨコ軸に置いてみる
・情報はズームイン/ズームアウトして観察する
・すべてはグレーと考える
・わからないことを受け入れる
・情報は収集しない
・情報はストーリーで発信する
・他人と同じことは絶対に言わない
・刺さるコメントよりも、しみ込むコメントを
・いつでもどこでも聞き手を意識する
・ツイッターを使い倒す
・ボケる力を磨く
著者 竹田 圭吾
1964年生まれ。編集者・ジャーナリスト 名古屋外国語大学客員教授 大学卒業後、スポーツ雑誌でアメリカのプロスポーツを取材。1993年に『ニューズウィーク日本版』に移り、翻訳編集のかたわら、国際情勢、アジア経済、社会問題等を取材する。1998年、副編集長。2001年から10年まで、編集長。 2004年以降、テレビのさまざまな情報番組やニュース番組のコメンテーター、ラジオ番組のナビゲーターなどを務めている。
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
THE 21 (ざ・にじゅういち) 2013年 11月号 [雑誌] |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
はじめに | p.1 | 2分 | |
第1章 情報は疑え | p.11 | 35分 | |
第2章 情報は集めるな | p.71 | 22分 | |
第3章 ストーリーで語れ | p.109 | 22分 | |
第4章 付加価値をつけろ | p.147 | 29分 | |
第5章 ボケる技術を磨け | p.197 | 12分 | |
おわりに | p.217 | 2分 |
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