秋山木工では、『職人心得三十箇条』を毎日唱和する。そして、心に落とし込み、血肉となっていくと、考えずとも口に出るようになり、行動に出るようになる。とっさの事が起きた時、困った事が起きた時も、常に『職人心得三十箇条』を行動の軸にして対応する事ができる。ブレない自分がつくれる。
挨拶のできた人から現場に行かせてもらえます
人の第一印象は、会った瞬間の挨拶で決まる。相手も自然に笑顔になって挨拶を返してくれるような、大きな声で、元気で明るい挨拶が一流の職人への第一歩。職人は、ものづくりでお客様に感動して頂く事が仕事である。人前できちんとした挨拶もできないのは、道具を忘れて現場に行くのと同じ事である。
明るい人から現場に行かせてもらえます
無愛想で暗い人は、人に気を使わせてしまう。1人でも暗い職人がいると、現場も暗くなり、仕事の効率が下がってしまう。だから、自分の機嫌は自分で取り、いつも機嫌良くしている事が大切である。
周りをイライラさせない人から現場に行かせてもらえます
周りをイライラさせる人とは、いつも自分中心で、周りに気を配れない人の事である。自分の気分を良くする事が最優先で、相手の立場に立って、ものを考えられない人間が、お客様に気配りできるわけがない。ものづくりは人のためで、自分のためではないから、そういう人はまず職人には向かない。
人の言う事を正確に聞ける人から現場に行かせてもらえます
お客様が望んでいる以上のものをお届けするのが、一流の職人の務めである。そうなるためには、人の言う事を正確に聞くクセをつけないといけない。普段から相手を喜ばせようと思っていると、自然と人の話を真剣に聞くようになる。その積み重ねの結果、あらゆるお客様を理解する能力が高まり、相手にも「この人ならわかってもらえる」と、安心感を持って頂けるようになる。
責任を持てる人から現場に行かせてもらえます
責任を持つとは、いざという時に逃げない事である。どんな小さな事もいい加減に終わらせない。困った時こそ、自分と真剣に向き合い、最後までやり遂げる。周りのミスはすべて自分の責任。ものの配置1つ、状況を把握するのも責任、そう考えると責任はどこにでも転がっている。自分の責任の範囲内で、悪い結果も、良い結果もすべて引き受け、最善の対処をしている内に、たくさんの事をやらせてもらえるようになる。
感謝のできる人から現場に行かせてもらえます
感謝の心を持つ事は、職人としての基本。感謝は、言葉に出す事が大切である。心で思っていても、口に出さなければ相手に気持ちが伝わりません。感謝の言葉は、周りの人を温かな気持ちにする。感謝した分だけ、人間性が高まる。いい事も、悪い事も、すべての事に感謝できる人は、たくさん学べて、成長できる人である。