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2013/10/19更新

「売り言葉」と「買い言葉」―心を動かすコピーの発想 (NHK出版新書 412)

136分

2P

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「売り言葉」を考える

「売り言葉」を別の言い方で説明すると、それは他の商品との「違い」を伝える言葉である。つまり、新しい機能、デザイン、価格など、他と差別化できる特徴をできるだけわかりやすく伝える言葉と言える。

①名前を覚えてもらうのが人を動かす第一歩となる
「セブン−イレブンいい気分」
「ゴホン!といえば龍角散」

②短くするほどたくさん伝わる
「hungry?」(カップヌードル)
「ファイト一発」(リポビタンD)
「駅前留学」(NOVA)

③「〜しよう」形式を使う
「トリスを飲んでHawaiiへ行こう!」(サントリー)
「そうだ 京都、行こう。」(JR東海)
「朝マックしよう。」(マクドナルド)

④ニュースがあれば事実をそのまま表現する
「お湯をかけて2分でできるラーメン」(チキンラーメン)
「最高金賞のうまさです。」(プレミアムモルツ)

⑤数字にする
「ひとつぶ300メートル」(グリコ)
「クシャミ3回ルル3錠」(ルル)
「やっぱりイナバ、100人乗っても大丈夫!」(イナバ物置)

⑥比較する
「隣のクルマが小さく見えます」(日産サニー)

⑦繰り返す
「伊東にゆくならハトヤ」「バザールでござーる」「ポリンキー」

⑧ダジャレを使う
「トンデレラ シンデレラ」(キンチョール)
「こんちく症。どうしま症。花粉症。」(協和発酵工業)

「買い言葉」を考える

「買い言葉」とは「同じであること」を伝える言葉である。「ウチの企業はあなたの気持ちをわかっていますよ」といった具合に売り手と買い手が近しい関係であるかを伝える。

①自らの感覚に問いかけながら、共感を生む
「安いものはほしくない。安くなったものがほしい。」(そごう・西武)
「ただ一度のものが、僕はすきだ。」(キヤノン販売)

②ちょっと考えればわかる「?」をつくる
「野菜を見ると、想像するもの。」(キューピー)
「帰ったら、白いシャツ。」(全日空沖縄キャンペーン)

③詩的な表現を使う
「ナイフが切ったように夏が終わる。」(パルコ)
「恋は、遠い日の花火ではない。」(サントリーオールド)
「少年は誰でも幻の女を持っている。」(マヨネーズ)

④小さな声で話して耳を傾けさせる
「あ、風がかわったみたい」(伊勢丹)
「私って、いいね」(資生堂)

⑤あえて長い文章にして省略しない
「バカンスとは、大してお金を使わなくても楽しかった一日のことです。」(無印良品)
「彼よりも課長の顔を見ている時間が長いのは不自然だ。と気づいた京都のお庭でした。」(JR東海)

⑥感覚に訴えかける
「ビール、ビールと蝉が鳴く。」(キリン一番絞り)
「さくさくさく、ぱちん」(国際羊毛事務局)