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2013/10/14更新

勝負師の極意

  • 武 豊
  • 発刊:2013年10月
  • 総ページ数:208P

97分

2P

  • 古典的
  • トレンドの
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  • 感動する
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やる前にどうなるか心配するより、まずはやってみる

2000年春、主戦場を日本から南カリフォルニアに移す事に決めた。「行くのはいいけど、騎乗馬はあるの?」「日本の競馬を捨てるのか!」、いろんな声があがった。

行きもしないで、どうなるか心配するより、まずは行ってみる。頭の中だけで想像し、悪い方、悪い方へと考えて、結局、最初から何もなかった事にしてしまう。確かにそうすれば自分は傷つかないが、そんな生き方、全然面白くないじゃないですか。

結局、このアメリカ長期遠征は、最後まで実を結ぶ事はなかった。努力しなければ夢に近づかないが、努力したからといって必ずそれが報われるわけじゃない。しかし、いい事も悪い事もすべて含めて、無駄になっていない。

体と心を整える

勝負が大きくなればなるほど、感じるプレッシャーも大きくなる。ディープインパクトをパートナーに臨んだ三冠レース「菊花賞」もその1つだった。

どうやったらこのプレッシャーを克服できるのか? いつも心掛けている事は、まず心と体の両面で、万全の準備をすること。熱がある、歯が痛い、気になるところが一カ所でもあると勝負に集中できなくなる。同時に些細な事にも動じない心を持つ事も大切である。あらゆる事を想定し、どんな事にも対応できるように心を整える。その準備が勝利への第一歩となる。

もう1つ、レースの前日から、真っ先にゴール板を駆け抜けるイメージを頭に描くようにしている。気負うのは当たり前。慌てず、騒がず、できれば笑みを浮かべるくらいのイメージで大勝負に挑む。

どんな強敵が相手でも勝利する方法

1レースから最終レースまで、競馬は出走するすべての馬に勝つチャンスがある。では、勝つためにどうやってレースを組み立てていくのか。枠順、展開、自分が騎乗する馬の調子、天候、馬場状態など、様々な要素を冷静に分析し、想定の上に想定を重ね、正解を導き出す事が重要になる。どんなにライバルが強力でも、自分の武器を最大限に活かす方法を見つけ、それを最大限にまで引き出す事ができたら、必ずチャンスはある。

どこまでもプラス思考で

馬の力だけを比べたら、半歩、一歩及ばない場合でも、相手に小さな不利があり、自分が完璧な騎乗をしたらチャンスはある。それでも無理なら、相手に大きな不利があり、自分が120%の騎乗をする事を頭の中で思い描く。勝負事というのは、そうやって、考えている内に、必ずどこかで勝機を見出せるものだ。コイツにだけはかなわないと思った瞬間、勝負は終わりである。

とはいえ中には、どんなに考えても、今にも切れそうな細い糸しか見つからないというケースもある。それでもなお、戦法も戦術も関係ない。その糸をそっとたぐり寄せるようにしてでも勝たせてあげたい。