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2013/10/15更新

部下を育てる リーダーのレトリック

134分

5P

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「日本一オーラがない監督」の部下を育てる方法

サラリーマンから、指導経験もないまま早稲田大学のラグビー部監督に就任し、全国大学選手権連覇に導いた著者が、部下やチームの育成方法を伝授する。


■レトリックとは
リーダーが口にする「言葉」は重要である。言葉によって、人や組織を成長に導く事ができる。「レトリック」とは、古代ギリシアに始まった効果的な言語表現の技術であり、日本では「修辞学」と呼ばれる。歴史を振り返れば、皇帝、武将などが必ず学ぶ教養科目の1つだった。側近の部下はもちろん、時に民衆や一兵卒にもわかりやすく物事を伝え、納得させ、人を動かす事が重要だった彼らにとって、必須のスキルだった。

例えば「全力を尽くす」という言葉1つを取っても、人よりたくさん練習する事と理解する人もいれば、最高のコンディションを保つために生活のルールを徹底する人もいる。

果たして、チームにとっては何が正解か。リーダーが「全力を尽くそう」と言っただけではわからないし、腹に落ちない。こういう時こそ、レトリックの出番である。レトリックの目的は、それによって人を納得させ、動かす事にある。これは単に言葉を飾り立てる事や巧みに操る事ではない。自分は部下に何を伝えたいのか、どう成長させたいのか、メッセージを整理する。その上で、どんな言葉で言われると納得できるのか、相手の立場で考え抜く。これがレトリックの基本だ。

超短要約

■部下を成長させる言葉
・「成果が出せる自分」を考えよう
スキルは「点」であると説明している。点のスキルは、そのスキルが発揮できる瞬間にしか役に立たない。逆に「スタイル」は「線」だ。スキルを含めた点が線で結ばれた時、初めてどんな場面でも力を発揮できるようになる。

「仕事の中で突き抜けた成果を出そうと思った時、どんな考え方、習慣、振る舞いが大切なのかを考えよう」と部下を促すといい。人によってスタイルは必ず異なる。

・「出すぎた杭」になろう
チームの中に軋轢はない方がいい。しかし、軋轢を避けるばかりに、優秀な人材の芽を摘んでは意味がない。日本企業は特定の人材だけを選抜する事に臆病だ。1%を選抜してファストトラックに乗せると、99%のモチベーションが下がるというのがその言い分である。しかし、組織に「出すぎた杭」が存在する効果は大きい。その人材が組織全体を引き上げてくれるメリットが確実にある。

・超悲観的に準備して、超楽観的に実践しよう
この考え方の効果は3つある。1つは、目標に到達する確率を高める効果だ。高い目標を設定すればするほど、困難や失敗に遭遇する機会が増える。それを前提にストーリーを描いておけば、計画に遅れや修正が発生する事が少なくなる。2つ目は、逆境に立たされた時、それが想定されており、リバイバルプランが見えていれば、人はモチベーションを下げずに済むし、動揺も少ない事だ。3つ目の効果は、失敗に対する恐れを軽減できる点にある。

・「頑張った」は言い訳にならない
勝てなくても「みんなよく頑張ったからそれでいい。頑張る事が何より大事だ」というアマチュアスポーツの指導者に時々出くわす。だが、そうした指導法では、勝利への執着がなくなり、負けグセがつく。いつまで経っても勝てるチームにならない。成果が出る確率を高めるには、成果に向けて正しいプロセスを実践し、ゴールを見据えながら真剣にコミットする事が求められる。

・120%を目指せ
100メートル走で簡単にタイムを上げられる方法は、100メートルよりも20メートル長いゴールを目指して走ればいい。100メートル地点のタイムは、100メートルを目指して走るよりも、ずっとよくなる。これと同じ事が仕事でも起きる。120%の地点を見て、100%のゴールは走り抜けるくらいの勢いで仕事を進めると、ラクラク目標を達成できる事がある。

・君の「本番」は何だ?
スポーツには「本番」である「試合」がある。本番でどうすれば成功できるかを考え抜き、その結果を練習に落とし込んでいく。それが指導者の役割である。仕事にも試合と練習という意識を持ち込む事が大切だ。「マッチメーク」で部下に経験を積ませ、ここぞという「勝負どころ」を設定してやらなければならない。

著者 中竹 竜二

1973年生まれ。日本ラグビーフットボール協会コーチングディレクター 日経BP「課長塾」講師 1993年早稲田大学人間科学部入学。4年時にラグビー蹴球部の主将を務め、全国大学選手権準優勝。1997年卒業後、渡英し、レスタ―大学大学院社会学部修了。 2001年三菱総合研究所入社。2006年早稲田大学ラグビー蹴球部監督に就任し、2007年度から2年連続で全国大学選手権を制覇。2010年退任。同年日本ラグビーフットボール協会コーチングディレクターに就任。2012年度はラグビーU20日本代表監督を兼任。

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章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
プロローグ レトリックはリーダーの必修科目である p.1 6分
第1章 気づきを与える言葉 p.19 39分
第2章 部下の成長を促す言葉 p.93 35分
第3章 チーム力を高める言葉 p.159 22分
おわりに p.200 2分

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